中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は19省市区で2519人…吉林省が約9割、無症状は上海市が3日連続最多=3/22

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月23日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月22日の中国本土における新規市中感染確認は2519人(前日から238人増)だったとのこと。内訳は、吉林省2320人(長春市1979人、吉林市331人、四平市9人、延辺朝鮮族自治州1人)、福建省110人(泉州市100人、ホ田市6人、ショウ州市4人)、遼寧省36人(営口市13人、大連市12人、瀋陽市7人、遼陽市4人)、天津市24人(西青区13人、河北区3人、紅橋区3人、浜海新区2人、河東区1人、東麗区1人、北辰区1人)、山東省24人(浜州市16人、煙台市4人、済南市1人、青島市1人、シ博市1人、威海市1人)、広東省15人(深セン市13人、東莞市1人、中山市1人)、黒竜江省13人(ハルビン市)、河北省9人(廊坊市7人、石家庄1人、唐山市1人)、江西省9人(南昌市)、河南省6人(周口市4人、鄭州市1人、開封市1人)、甘粛省6人(蘭州市5人、隴南市1人)、北京市4人(朝陽区3人、東城区1人)、上海市4人(徐匯区2人、嘉定区2人)、陝西省3人(宝鶏市2人、西安市1人)、江蘇省2人(塩城市)、湖南省2人(長沙市)、雲南省2人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、浙江省1人(湖州市)、重慶市1人(沙坪ハ区)。このうち吉林省の73人、遼寧省の13人、福建省と山東省の各3人、浙江省と広東省の各1人の計94人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは158日連続。4桁となるのは11日連続。

 市中の無症状感染例についても39日連続で出現し、上海市977人(閔行区306人、浦東新区237人、嘉定区109人、徐匯区84人、黄浦区59人、松江区31人、静安区28人、普陀区21人、長寧区20人、青浦区20人、崇明区19人、宝山区16人、虹口区13人、奉賢区8人、楊浦区3人、金山区3人)、吉林省528人(吉林市522人、梅河口市3人、延辺朝鮮族自治州2人、遼源市1人)、河北省183人(廊坊市147人、唐山市34人、滄州市2人)、福建省160人(泉州市144人、福州市9人、ホ田市4人、ショウ州市3人)、山東省157人(浜州市147人、威海市4人、シ博市3人、臨沂市2人、煙台市1人)、遼寧省127人(瀋陽市53人、大連市42人、営口市32人)、江西省49人(南昌市48人、宜春市1人)、甘粛省37人(蘭州市21人、天水市9人、白銀市5人、臨夏回族自治州2人)、黒竜江省28人(ハルビン市27人、黒河市1人)、天津市23人(西青区11人、河北区3人、東麗区3人、静海区2人、河東区1人、河西区1人、紅橋区1人、浜海新区1人)、江蘇省22人(常州市17人、南京市2人、宿遷市2人、蘇州市1人)、雲南省15人(徳宏タイ族チンポー族自治州13人、臨滄市1人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、広東省12人(東莞市7人、深セン市5人)、安徽省11人(銅陵市7人、亳州市4人)、広西チワン族自治区7人(崇左市3人、防城港市2人、欽州市2人)、浙江省5人(衢州市2人、杭州市1人、嘉興市1人、台州市1人)、河南省5人(焦作市4人、周口市1人)の計2346人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月22日まで39日連続。中でも深セン市の流行はオミクロン変異株(「ステルスオミクロン」とも呼ばれる亜種BA.2を含む)が主とされる。感染確認例が集中していた深セン市で1週間にわたって実施されたロックダウンは20日までに解除され、このところ省内の感染確認数は下落傾向が伺える。

 吉林省では連日4桁台の新規感染者が確認され、深刻な状況が続く。同省が22日に開催した記者会見によれば、連日大量の医療物資を緊急購入し、米ファイザー製の新型コロナ経口治療薬1万箱も含まれるとのこと。中国本土で当該治療薬が大規模使用されるのは初のケースとなり、発症から5日以内の軽度から一般程度の重症化リスクのある成人患者及び一部12〜17歳に使用するという。上海市では3日連続で無症状患者の数が最多に。ただし、感染確認に至るケースはこれまでのところ低位を維持している。

 3月22日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万5103人(うち輸入性が1444人)で、重症者は50人(うち輸入性1人)。無症状の患者2万2000人(輸入性1589人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月22日まで163日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月22日までの累計は約106.3万人、死亡率は約0.58%に。すでにピークを過ぎたとの見方が示されているが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進む。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースも相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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