香港、新型コロナ新規感染者数は1万2240人…第5波累計は約107.5万人、死亡率0.59%に=3/23
- 2022/3/23 18:21
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。
香港衛生当局が3月23日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から1912人減(13.5%減)の1万2240人とのこと。過去1週間の最少で、5日連続で2万人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約107.5万人。
新規死亡確認数は205人で、第5波開始以来の累計死亡者数は6356人、総体死亡率は前日から0.01ポイント上昇の約0.59%に。死亡者に占める80歳以上の割合は約71%。
当局は、第5波は3月第1週にピークに達し、近日の新規感染確認数は毎日1.2〜1.4万人程度まで下落したとの見方を示した。
第5波下、高齢者介護施設に関連する感染例が多く確認されている。これまでに感染例が出現した高齢者介護施設は全体の約9割にあたる781軒で。第5波開始以来の高齢者介護施設及び障がい者施設入所者の死亡数は3370人に上る。このところ高齢者介護施設に絡む感染例についても減少傾向にあるという。
2月以降の感染急拡大を受け、医療現場のキャパシティ不足が深刻化している状況。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処している状況。患者に対する米国製の2種の経口治療薬の使用も始まっている。
香港の3月22日午後8時時点のワクチン接種率は91.6%(1回目の接種完了)、82.7%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は58.1%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。22日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は6万3494回で、7日移動平均は6万2416回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(81.2%)と80歳以上(56.6%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。