香港の新型コロナ新規感染者数が3日連続1万人以下…第5波累計約112万人、死亡者は7200人超=3/28
- 2022/3/28 18:20
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。
香港衛生当局が3月28日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から352人減(4.4%減)の7685人(輸入性5人含む)とのこと。3日連続で1万人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約112万人に。
新規死亡確認数は医管局報告分が168人、医管局以外からの報告分が47人で、第5波開始以来の累計死亡者数は7207人となった。総体死亡率は約0.6%。ワクチン接種歴別では、未接種が3%、1回接種が0.84%、2回接種が0.12%、3回接種が0.02%とのこと。
当局では、市中感染確認例の累計は112万人だが、これは検査を経て報告された数字をまとめたものであり、実際にはこれを上回る感染者がいるだろうとの見方を示した上、パブリックホリデー(清明節及イースター連休)に人流が増加すれば再び感染拡大に転じる恐れもあることから、もし外出する場合には密閉された空間ではなく郊外の比較的人流の少ない場所が望ましいとした。
2月以降の感染急拡大を受け、医療現場のキャパシティ不足が深刻化している状況。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処している状況。患者に対する米国製の2種の経口治療薬の使用も始まった。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開されている。
香港の3月27日午後8時時点のワクチン接種率は91.9%(1回目の接種完了)、83.9%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は59.7%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。27日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は3万9678回で、7日移動平均は5万9060回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(81.6%)と80歳以上(57.3%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。