マカオ、2022年2月のホテル客室稼働率は48.7%…対前年10.3pt上昇

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2019年比では8割超のマイナスで、依然として低迷が続いている。

 インバウンド旅客数が低迷する主要因として、2020年1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられていることが挙げられる。ただし、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いたことを受け、同年第4四半期以降は中国本土との往来制限の緩和が進み、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示などの条件付きで隔離検疫での相互往来が免除となったことから、昨年(2021年)5月にかけてインバウンド旅客の緩やかな回復が進んだ。しかしながら、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。昨年8月以降はマカオでも市中感染確認例が相次ぎ、中国本土側でマカオからの入境者に対する隔離検疫を必要とする状況も生じた。

 今年(2022年)2月のインバウンド旅客数は前月から5.6%減、前年同月から53.5%増となる65万5505人だった。対前月では2ヶ月連続のマイナス。対前月のマイナス要因として、広東省ほか中国本土の各地でオミクロン変異株の市中感染確認例が相次いだことを受け、水際措置が引き締めとなったことが挙げられる。1〜2月累計では前年同時期比37.2%増の134万9935人。

 マカオ政府統計調査局は3月29日、今年2月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率(新型コロナの影響で一時休業中及び隔離検疫用ホテルの客室分は含まず、以下同)は48.7%で、前年同月から10.3ポイント(pt)上昇、前月からも4.7pt上昇だった。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から10.1pt上昇の49.2%、4つ星が9.2pt上昇の49.6%、3つ星が11.9pt上昇の51.2%、2つ星ホテルが9.1pt上昇の31.8%、エコノミー宿泊施設が40.1%(※2022年1月の法改正によりカテゴリー調整が生じたため比較対象なし)。なお、5つ星ホテルの供給客室数が11.9%増、4つ星ホテルが4.9%増、3つ星ホテルが横ばい、2つ星ホテルが26.0%増だった点も考慮する必要がある。

 今年2月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から横ばいの119軒、供給客室数は8.1%増の3.86万室あり、このうち5つ星ホテルが1軒増の33軒で、供給客室数は全体の62.2%を占める2.40万室。

 今年2月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月から29.3%増の49.3万人。このうち中国本土からの旅客は30.9%増の39.6万人、さらにステイケーション需要とみられる地元のマカオ客が25.1%増の6.8万人おり、稼働率の下支え効果があった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日延びて1.8日。

 参考までに、昨年通期(1〜12月)の平均ホテル客室稼働率は前年から21.4pt上昇の50.0%、ホテル宿泊者数は71.0%増の662.4万人だった。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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