中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は19省市で1565人…無症状は7090人、上海市が主=3/29

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月30日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月29日の中国本土における新規市中感染確認は1565人(前日から337人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1150人(長春市875人、吉林市268人、四平市7人)、上海市326人(浦東新区169人、徐匯区34人、宝山区33人、閔行区29人、松江区15人、嘉定区9人、静安区8人、虹口区7人、黄浦区6人、普陀区6人、楊浦区3人、長寧区3人、金山区2人、奉賢区1人、崇明区1人)、河南省26人(周口市)、黒竜江省16人(ジャムス市15人、ハルビン市1人)、浙江省8人(嘉興市3人、湖州市3人、杭州市1人、麗水市1人)、福建省7人(泉州市6人、ホ田市1人)、河北省6人(秦皇島市3人、廊坊市3人)、遼寧省5人(瀋陽市3人、営口市1人、葫芦島市1人)、山東省4人(青島市1人、棗荘市1人、泰安市1人、徳州市1人)、安徽省3人(淮南市2人、蕪湖市1人)、湖南省3人(長沙市2人、婁底市1人)、北京市2人(通州区)、天津市2人(南開区1人、東麗区1人)、広東省2人(深セン市1人、珠海市1人)、江蘇省1人(泰州市)、江西省1人(南昌市)、海南省1人(万寧市)、重慶市1人(雲陽県)、貴州省1人(貴陽市)。このうち吉林省の24人、上海市の18人、黒竜江省の13人、福建省の5人、遼寧省と浙江省の各2人、天津市と湖南省の各1人の計66人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは165日連続。4桁となるのは18日連続。

 市中の無症状感染例についても7090人(前日から1332人増)に上った。近日は流行開始以来の最多を連日更新している。内訳は、上海市5656人(浦東新区2018人、徐匯区1054人、嘉定区244人、松江区219人、静安区172人、黄浦区106人、普陀区106人、楊浦区95人、奉賢区94人、青浦区84人、虹口区66人、崇明区55人、長寧区33人、金山区24人)、吉林省1032人(吉林市680人、長春市348人、四平市2人、遼源市1人、白城市1人)、福建省85人(泉州市82人、ショウ州市2人、ホ田市1人)、河北省75人(唐山市54人、廊坊市21人)、遼寧省52人(瀋陽市32人、営口市16人、葫芦島市2人、大連市1人、鞍山市1人)、江蘇省32人(蘇州市16人、徐州市10人、南京市1人、無錫市1人、南通市1人、塩城市1人、泰州市1人、宿遷市1人)、安徽省31人(淮南市24人、蕪湖市3人、馬鞍山市2人、銅陵市1人、阜陽市1人)、黒竜江省24人(ジャムス市17人、ハルビン市6人、伊春市1人)、山東省23人(浜州市12人、青島市4人、臨沂市3人、済南市1人、シ博市1人、煙台市1人、泰安市1人)、広東省14人(深セン市7人、肇慶市4人、東莞市2人、茂名市1人)、広西チワン族自治区13人(百色市9人、防城港市3人、崇左市1人)、河南省10人(ラク河市4人、鄭州市2人、安陽市1人、信陽市1人、周口市1人、駐馬店市1人)、甘粛省10人(蘭州市9人、定西市1人)、江西省9人(南昌市)、浙江省7人(嘉興市5人、杭州市1人、台州市1人)、天津市6人(西青区3人、南開区1人、浜海新区1人、静海区1人)、雲南省3人(徳宏タイ族チンポー族自治州2人、文山チワン族ミャオ族自治州1人)、新疆ウイグル自治区2人(ウルムチ市)、山西省1人(忻州市)、内モンゴル自治区1人(赤峰市)、湖北省1人(黄岡市)、湖南省1人(長沙市)、海南省1人(万寧市)、重慶市1人(雲陽県)。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の同省の感染確認数は低位を維持しており、状況が落ち着きつつあるとみられる。珠海市で出現した感染確認例は、3月26日に感染確認された患者の同僚とのこと。過去14日間は市内に留まっていたといい、30日早朝から市内の一部が局地エリアを封鎖しての大規模なPCR検査が実施されることとなった。

 東北部の吉林省では連日4桁台の新規感染者が確認され、深刻な状況が続く。無症状患者の急増した華東部の上海市では、3月28日から4月5日かけて、黄浦江を境に市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施されている(現在は東・南部で展開中)。

 3月29日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万8163人(うち輸入性が791人)で、重症者は62人(輸入性はゼロ)。無症状の患者4万9421人(輸入性1267人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月29日まで170日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月29日までの累計は約113万人、死亡率は約0.65%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近4日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進み、公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設のキャパシティ不足は解消しつつあるとのこと。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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