マカオ、2022年3月のカジノ売上は対前年55.8%減の約556億円…1〜3月累計は24.8%減

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は4月1日、今年(2022年)3月のマカオの月次カジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)について、前年同月から55.8%減、前月からも52.6%減となる36.72億パタカ(日本円換算:約556億円)だったとする最新統計を公表。

 前年同月比、前月比とも2ヶ月ぶりのマイナスで、2020年10月以来で最低となった。

 すでに中国本土とマカオの間では条件付きで隔離検疫免除での相互往来が再開されているが、このところマカオに隣接する広東省を含む中国各地で再流行が深刻化したことを受けて水際措置の再強化が図られるなどした結果、インバウンド旅客数も低迷を余儀なくされ、カジノ売上に影響が及んだものとみられる。

 3月の営業日は31日間で、2月より3日間長い。今年3月の1営業日あたりの平均売上は前月から約56%の減少となる1.18億パタカ(約17.9億円)にとどまった。新型コロナの影響が生じて以降の推移については、2020年第2四半期の0.23億〜0.56億パタカ(約3.5億〜8.5億円)が底で、2021年5月にかけて回復が進み、その後は水際措置の調整と連動してアップダウンを繰り返している。

 今年1〜3月累計のカジノ売上は前年同時期から24.8%減の177.74億パタカ(約2693億円)。変動率は前月時点から16.8ポイント下落(悪化)。

 マカオ政府の2022年度財政予算における当初カジノ売上見込みは1300億パタカ(約1兆9694億円)で、3月終了時点の進捗率は13.6%。なお、前年も同額の見込みだったが、大幅未達(66.8%)だった。

ゲスト及び従業員のマスク着用やカジノ用品の消毒強化といった防疫対策を講じた上で営業を続けているマカオのカジノ施設(資料)=2020年3月(写真:GCS)

【資料1】2022年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:63.44億パタカ=約961億円(20.9%減)
・2月:77.59億パタカ=約1175億円(6.1%増)
・3月:36.72億パタカ=約556億円(55.8%減)
>1〜3月累計:177.74億パタカ=約2693億円(24.8%減)

【資料2】2013年〜2021年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約5兆4649億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約5兆3252億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約3兆4970億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約3兆3814億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆0257億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約4兆5878億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約4兆4304億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約9156億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆3153億円(43.7%増)

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