中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が2日連続1万人超…上海市と吉林省が主=4/3

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月4日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月3日の中国本土における新規市中感染確認は1366人(前日から89人減)だったとのこと。内訳は、吉林省836人(長春市574人、吉林市244人、白城市10人、四平市5人、白山市3人)、上海市425人(浦東新区141人、閔行区65人、徐匯区34人、宝山区31人、楊浦区29人、静安区28人、普陀区21人、黄浦区16人、長寧区15人、嘉定区14人、虹口区11人、松江区8人、奉賢区5人、金山区3人、青浦区3人、崇明区1人)、福建省16人(泉州市13人、アモイ市3人)、黒竜江省15人(ハルビン市12人、大慶市2人、ジャムス市1人)、江蘇省10人(塩城市7人、南京市1人、徐州市1人、宿遷市1人)、四川省10人(成都市9人、楽山市1人)、浙江省8人(寧波市3人、杭州市2人、温州市1人、嘉興市1人、湖州市1人)、青海省7人(西寧市5人、海東市2人)、山東省6人(青島市3人、済南市2人、煙台市1人)、海南省6人(海口市2人、三亜市2人、瓊海市2人)、広東省5人(広州市4人、珠海市1人)、山西省4人(太原市)、安徽省4人(阜陽市3人、淮南市1人)、江西省4人(南昌市2人、撫州市1人、上饒市1人)、河北省3人(邯鄲市)、河南省2人(鄭州市1人、滑県1人)、貴州省2人(黔西南プイ族ミャオ族自治州)、北京市1人(大興区)、湖南省1人(婁底市)、陝西省1人(西安市)。このうち上海市の71人、吉林省の68人、福建省の11人、安徽省と四川省の各3人、浙江省、山東省、広東省の各2人、海南省の1人の計163人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは170日連続。4桁となるのは23日連続。

 市中の無症状感染例についても1万1771人(前日から80人増)に上った。近日は上海市で増加傾向、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市8581人(浦東新区3529人、閔行区869人、黄浦区813人、徐匯区464人、宝山区431人、嘉定区410人、楊浦区344人、静安区315人、普陀区304人、松江区258人、青浦区217人、虹口区178人、崇明区143人、奉賢区117人、金山区99人、長寧区90人)、吉林省2742人(長春市2346人、吉林市393人、白城市2人、白山市1人)、河北省108人(邯鄲市54人、保定市53人、ケイ台市1人)、安徽省69人(淮南市51人、阜陽市13人、蕪湖市3人、合肥市1人、馬鞍山市1人)、江蘇省49人(宿遷市19人、蘇州市11人、塩城市10人、南通市6人、徐州市3人)、遼寧省39人(瀋陽市30人、営口市7人、鞍山市2人)、江西省39人(南昌市33人、撫州市3人、上饒市3人)、福建省26人(泉州市25人、福州市1人)、海南省21人(三亜市20人、海口市1人)、河南省20人(周口市13人、鄭州市3人、永城市3人、信陽市1人)、山東省13人(臨沂市6人、棗荘市1人、済南市2人、カ沢市2人)、浙江省10人(嘉興市6人、温州市2人、杭州市1人、寧波市1人)、黒竜江省9人(ジャムス市5人、ハルビン市4人)、湖北省9人(随州市4人、黄石市2人、ケイ州市2人、武漢市1人)、広東省9人(東莞市4人、広州市2人、珠海市1人、仏山市1人、肇慶市1人)、四川省9人(成都市4人、楽山市3人、資陽市1人、涼山イ族自治州1人)、新疆ウイグル自治区6人(バインゴリンモンゴル自治州4人、ウルムチ市2人)、雲南省3人(徳宏タイ族チンポー族自治州2人、昆明市1人)、甘粛省3人(蘭州市)、天津市2人(南開区)、湖南省2人(長沙市)、山西省1人(太原区)、重慶市1人(南岸区)。

 無症状を含む新規感染者が1万人を上回るのは2日連続。

 4月3日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万5724人(うち輸入性が619人)で、重症者は54人(輸入性はゼロ)。無症状の患者8万3364人(輸入性1064人)が医学観察下にあるとのこと。

広東省・珠江西岸各都市を結ぶインターシティ鉄道の珠海駅(資料)—本紙撮影

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。3日、珠海市で感染確認された患者は上海市から高速鉄道を利用して広州経由で珠海入りした後、隔離検疫を受けていたという。このところ、広東省では上海市など省外の中・高リスクエリアからの流入例が相次いでおり、水際措置が強化されている。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが連日4桁台が続く東北部の吉林省と華東部の上海市。上海市では3月28日から4月5日の予定で、黄浦江を境に市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施されているほか、市外へ向かう際には48時間以内のPCR検査陰性証明に加え、24時間以内の抗原検査陰性証明の提示を求める措置も講じられている。3日現在、同市では2394人が医療機関で治療中、約5.3万人の無症状患者が医学観察科にある。また、人民解放軍が上海における医療やPCR検査といった防疫活動を支援するため約2000人を派遣したとのこと。解放軍以外にも全国各地から約1万人の支援チームが同市入りしているという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では4月3日まで175日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月3日までの累計は約115.8万人(無症状含む)、死亡者数は7959人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近9日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主とされる。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

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