香港の新型コロナ新規感染者数3138人、12日連続下落…第5波累計約116.1万人、死亡者数は8049人に=4/4

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数も落ち着きつつあるが、依然として高止まりが続く。

 香港衛生当局が4月4日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から571人減(15.4%減)の3138人(輸入性12人含む)とのこと。12日連続で下落、10日連続で1万人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約116.1万人。

 死亡者数は医管局の直近24時間報告分が77人、衛生署法医部報告分が5人で、第5波開始以来の累計死亡者数は8049人となり、総体死亡率は前日から横ばいの約0.69%。

 当局では、近日は新規感染確認者数は緩やかな減少傾向を維持しているが、毎日数千人の新規感染確認があり、その半数がスピード抗原検査を経て判明したものであることから、市中に多くの伝播チェーンが存在するとし、今週末にかけて実施する全市民スピード抗原検査計画(4月8日から10日までの3日間、全市民に対して毎日1回のスピード抗原検査を実施し、陽性の場合は24時間以内に報告させるもの)へ積極的に参加するよう呼びかけた。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したことを受け、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処を進めた結果、直近では入院待機状況が改善傾向にあるという。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。

 香港の4月3日午後8時時点のワクチン接種率は92.2%(1回目の接種完了)、85.1%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は61.2%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。3日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万6876回で、7日移動平均は4万3250回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(82.0%)と80歳以上(58.3%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

局地ロックダウンの対象となったエリアに暮らす高齢者に対する新型コロナワクチン訪問接種の様子=2022年4月3日(写真:news.gov.hk)

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