香港の新型コロナ新規感染者数1407人、2日連続1千人台維持…第5波累計約117.8万人=4/11

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数も落ち着きつつあるが、依然として高止まりが続く。

 香港衛生当局が4月11日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から514人減(26.8%減)の1407人とのこと。内訳は迅速抗原検査経由が709人、PCR検査経由が698人。ピーク期以降の最少を記録し、2日連続で1千人台を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は約117.8万人。

 新たに報告された死亡者数は57人、第5波開始以来の累計死亡者数は8614人に。

 香港の全市民を対象とした迅速抗原検査計画(強制ではなく参加は個人の意思に委ねられる)が8日から10日までの3日間かけて実施された。期間中、毎日1回検査を行い、結果が陽性となった場合は24時間以内に特設サイト等の所定の経路で当局に報告することが求められるというもの。この日の会見で、3日間累計で約2875人から報告が寄せられたことが明らかにされた。当局では、約65%が無症状だったことを挙げ、市中における潜在的な伝播チェーンを断ち切るきっかけとなり、防疫対策上の成果があったとの見方を示した。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したことを受け、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処を進めた結果、直近では入院待機状況が改善傾向にあるという。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。

 香港の4月10日午後8時時点のワクチン接種率は92.4%(1回目の接種完了)、85.9%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は62.4%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。10日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万0579回で、7日移動平均は3万0617回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(82.5%)と80歳以上(59.3%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

 このほか、11日午前の行政長官臨席による定例会見では、19日から対面授業の再開を予定している幼稚園、小学校、中学校(日本でいう高校も含む)について、当初は半日とし、教員及び生徒は毎日迅速抗原検査の実施が必須で、結果が陰性の場合のみ登校することができ、全校の5%以上が陽性となった場合に休校とするか否かを検討中であることを明らかにした。

中国本土から香港へ派遣された防疫専門家チームによるショッピングモール内飲食施設における防疫対策状況の視察の様子=2022年4月10日、九龍・尖沙咀(写真:news.gov.hk)

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