中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.8万人…上海市が約95%、今後数日は高止まりの見通し=4/12

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月13日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月12日の中国本土における新規市中感染確認者数は1500人(前日から249人増)だったとのこと。内訳は、上海市1189人、吉林省233人、広東省22人、海南省14人、浙江省12人、福建省7人、江蘇省4人、山東省3人、河南省3人、黒竜江省2人、湖南省2人、陝西省2人、遼寧省1人、安徽省1人、江西省1人、湖北省1人、雲南省1人。このうち吉林省の97人、上海市の23人、海南省の13人、広東省の9人、浙江省の6人、福建省の2人、江蘇省の1人、山東省の1人の計152人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは179日連続。4桁となるのは32日連続。

 市中の無症状感染例についても2万6420人(前日から3125人増)に上った。近日は上海市で増加傾向、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市2万5141人、吉林省852人、江蘇省71人、安徽省60人、湖北省44人、河北省37人、遼寧省31人、浙江省19人、江西省16人、河南省11人、青海省11人、雲南省10人、広東省9人、福建省7人、山西省4人、四川省3人、黒竜江省2人、天津市1人、内モンゴル自治区1人。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは11日連続で、8日連続2万人超。その大半を上海市が占め、連日流行開始後の最多を2日ぶりに更新した。

 4月12日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万1826人(うち輸入性が314人)で、重症者は87人(輸入性はゼロ)。無症状の患者25万8374人(輸入性881人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ両市の感染確認数は低位を維持している。近日では、省都の広州市で感染者の出現が相次ぐ。12日の同省の新規感染確認22人中20人が広州市で報告されたもの。同市では11日から不要不急の市外への移動が制限されたほか、小中学校の対面授業が1週間にわたり中止に。目下、複数エリアが局地ロックダウン状態にある。広州市のみならず、省内各地で各種防疫措置が引き上げられている。広東省当局は12日午後の会見で、目下のところ広州市における感染者は同一伝播チェーン上にあるとみられるが、防疫情勢は以前として予断を許せず、今後数日間が正念場との見方を示した。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが華東部の上海市と東北部の吉林省。上海市では3月下旬から事実上のロックダウン状態が続いており、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。NHCは12日午後の会見で、上海市の流行は急速拡大期にあり、市中伝播が効果的に抑えられていないことから、今後数日の新規感染確認数は高止まりが続くとの予測を明らかにした。

 マカオ特別行政区では4月12日まで184日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月12日までの累計は約118万人(無症状含む)、死亡者数は8673人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近10日連続で新規感染確認数が5千人以下、12日まで3日連続2千人以下を維持した。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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