中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.9万人…うち上海市が約2.7万人、高止まり続く=4/13

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月14日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月13日の中国本土における新規市中感染確認者数は2999人(前日から1499人増)だったとのこと。内訳は、上海市2573人、吉林省325人、広東省47人、浙江省9人、福建省9人、黒竜江省7人、山西省4人、河南省4人、江蘇省3人、海南省3人、雲南省3人、河北省2人、安徽省2人、陝西省2人、青海省2人、北京市1人、遼寧省1人、江西省1人、山東省1人。このうち吉林省の214人、上海市の114人、福建省の6人、浙江省の4人、海南省の3人、広東省の2人、河北省の1人の計344人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは180日連続。4桁となるのは33日連続で、上海市の2千人超えは初めて。

 市中の無症状感染例についても2万6318人(前日から102人減)に上った。近日は上海市、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市2万5146人、吉林省647人、広西チワン族自治区129人、江蘇省50人、安徽省48人、河南省42人、湖北省42人、遼寧省32人、河北省30人、山東省28人、広東省21人、江西省20人、福建省15人、青海省12人、浙江省10人、雲南省7人、山西省4人、内モンゴル自治区3人、黒竜江省2人、陝西省2人、重慶市1人。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは12日連続で、9日連続2万人超。その大半を上海市が占め、同市では連日流行開始後の最多を2日連続更新した。

 4月13日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万2822人(うち輸入性が308人)で、重症者は78人(輸入性はゼロ)。無症状の患者26万6230人(輸入性844人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ両市の感染確認数は低位を維持している。4月8日以降、省都の広州市では白雲区を中心に感染者の出現が相次ぐ。13日の同省の新規感染確認47人中39人が広州市で報告されたもの。8日からの累計感染報告数は100人を超えた。同市では11日から不要不急の市外への移動が制限されたほか、小中学校の対面授業が1週間にわたり中止に。目下、複数エリアが局地ロックダウン状態にある。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが華東部の上海市と東北部の吉林省。上海市では3月下旬から事実上のロックダウン状態が続いており、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。

 マカオ特別行政区では4月13日まで185日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月13日までの累計は約118.1万人(無症状含む)、死亡者数は8735人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近4日連続で新規感染確認数が2千人以下を維持した。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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