香港の新型コロナ新規感染者数628人、7日連続1千人以下維持…ソーシャルディスタンス措置一部緩和スタート=4/21
- 2022/4/21 18:11
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。
2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数が下落傾向を維持している。
香港衛生当局が4月21日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から40人減(6.0%減)の628人(輸入性25人含む)とのこと。対前日では2日ぶりに減少となり、7日連続で1千人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は118万7703人。
新たに医管局から報告された死亡者数は26人で、第5波開始以来の累計死亡者数は8999人に。
2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したため、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進められたが、このところは状況が大きく改善。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開。
香港では、18日までがイースターの4連休だった。第4波までホリデーシーズンの後に新規感染確認数が増加に転じることを繰り返してきた経緯もあり、一定数の揺り戻しが想定されていたが、これまでのところ目立った増加は見受けられない。4月19日から小学校の対面授業が再開されたほか、21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となっており、今後の新規感染確認数の推移に注目される。
香港の4月20日午後8時時点のワクチン接種率は92.8%(1回目の接種完了)、86.9%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は65.1%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。20日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万2688回で、7日移動平均は2万4892回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.1%)と80歳以上(61.4%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じている。