中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約1.7万人…上海市が大半、北京市の一部で全員PCR検査実施=4/25
- 2022/4/26 11:06
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月26日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月25日の中国本土における新規市中感染確認者数は1908人(前日から758人減)だったとのこと。内訳は、上海市1661人、江西省91人、吉林省44人、北京市32人、遼寧省25人、黒竜江省18人、浙江省8人、河南省8人、内モンゴル自治区6人、河北省2人、山西省2人、江蘇省2人、山東省2人、湖南省2人、広東省2人、安徽省1人、四川省1人、青海省1人。このうち上海市の968人、吉林省の19人、浙江省の4人、北京市の1人、山西省の1人、安徽省の1人、広東省の1人の計995人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは192日連続、4桁となるのは45日連続。
市中の無症状感染例は1万5816人(前日から1765人減)。内訳は、上海市1万5319人、江蘇省112人、吉林省101人、山東省62人、河北省49人、江西省46人、遼寧省39人、浙江省34人、黒竜江省18人、安徽省10人、河南省9人、雲南省6人、湖北省3人、天津市2人、広西チワン族自治区2人、四川省2人、北京市1人、青海省1人。
無症状を含む新規感染者が5桁となるのは24日連続で、4日ぶりに2万人を下回った(1万7724人)。このうち上海市の報告数が1万6980人に上り、95.8%を占めた。先に深刻な再流行が出現した吉林省における状況が落ち着き、他の省市区でも大規模な感染拡大に出現には至っていない中、高止まりの続く上海市の占める割合が際立っているのが特徴といえる。
4月25日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万8726人(うち輸入性が203人)で、重症者は341人(輸入性はゼロ)。無症状の患者24万6139人(輸入性596人)が医学観察下にあるとのこと。
中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、現時点で何らかの封鎖が講じられている地域が多く存在する。
このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。同市における新規感染確認数は依然として高止まりしながらアップダウンを繰り返している。25日まで9日連続で複数の死亡例が報告されており、累計は約190人に。25日の死亡報告数は単日最多を更新する52人だった。同市では流出防止を目的とした不要不急の市外への移動を制限する措置も講じられている。
近日は北京市でも感染例の出現が相次ぐ。すでに市内に複数の伝播チェーンが存在するとされている。同市では、感染例の出現が集中する朝陽区で全員PCR検査が展開中。26日からは東城区、海淀区など11区でも3回の全員PCRがスタートするとのこと。すでに大型イベントの中止や企業に対して出社人数を調整するよう通達がなされ、市民に対して不要不急の市外への移動を控えるよう呼びかけが行われている模様。
香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。
マカオ特別行政区では4月25日まで197日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、4月25日までの累計は約118.9万人(無症状含む)、死亡者数は9054人、死亡率は0.76%。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では25日まで11日連続1千人以下を維持。25日単日では431人(輸入性16人含む)に。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。