香港の新型コロナ新規感染者数366人…6日連続500人以下=4/29

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月29日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から47人減の366人(輸入性14人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が196人、迅速抗原検査経由が170人。2日連続下落となり、6日連続で500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は119万1216人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は6人と法医からの報告分の5人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9085人に。

 香港では、イースター連休明けの4月19日から小学校の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)、21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となったが、その後も目立ったリバウンドは出現していない。

 香港政府は29日、5月1日から新型コロナによる海外の国・地域に対する外遊警告の発出を取りやめることを発表した。ただし、衛生当局は29日夕方の会見において、不要不急の旅行は可能限り避けるべきとの考えを示した。5月1日からは非居民の入境も可能となる(ただし香港居民と同レベルの隔離検疫や検査等を受けることを要する)など、水際対策上の大きな転機となる。隔離検疫に対する需要が高まる見通しの中、政府がこれまで感染者の隔離施設として使われたホテルを入境者の隔離検疫用に変更する措置を進めている。

 4月28日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.0%(1回目の接種完了)、83.9%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。28日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万7571回で、7日移動平均は2万4527回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(70.01%)、70〜79歳(79.38%)、80歳以上(63.46%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じているものの、直近のペースでは達成は困難とみられる。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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