中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約8千人、29日ぶり1万人以下に…上海では下落傾向続くも依然高止まり=4/30

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月1日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、4月30日の中国本土における新規市中感染確認者数は916人(前日から494人減)だったとのこと。内訳は、上海市788人、北京市53人、広東省21人、吉林省16人、山東省6人、四川省6人、黒竜江省5人、江西省5人、河南省4人、新疆ウイグル自治区4人、江蘇省3人、内モンゴル自治区2人、湖南省2人、重慶市1人。このうち上海市の683人、吉林省の11人、広東省の7人、山東省の1人、重慶市の1人の計703人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは197日連続で、50日ぶりに3桁まで下落した。

 市中の無症状感染例は7340人(前日から1953人減)。内訳は、上海市7084人、江西省57人、遼寧省47人、新疆ウイグル自治区44人、吉林省26人、浙江省18人、山東省15人、黒竜江省9人、安徽省9人、広東省7人、北京市6人、江蘇省6人、河南省5人、四川省4人、天津市1人、重慶市1人、雲南省1人。

 無症状を含む新規感染者数は8256人で、4桁まで下落するのは29日ぶりのこと。このうち上海市の報告数が7872人に上り、全体の95.3%を占めた。

 4月30日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万4002人(うち輸入性が156人)で、重症者は447人(輸入性はゼロ)。無症状の患者18万0362人(輸入性589人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向にあるものの、依然として高止まりが続く。また、30日まで14日連続で複数の死亡例も報告されている。

 4月22日以降、北京市でも感染例の出現が相次いでおり、今回の再流行における感染者の累計は300人規模に。ここまで市内13の区で感染確認例が出現しており、特に多いのが朝陽区とのこと。目下、複数の区で全員PCR検査(3回受検)が実施されているほか、各種防疫措置の強化が矢継ぎ早に進められている状況。労働節連休中、市内の飲食店でイートイン営業をストップするほか、公共の場所への入場にあたって48時間時間以内のPCR検査陰性証明の提示を求める措置などが講じられる。また、市当局は臨時医療施設の建設も進めており、すでに4000床の準備が整ったとのこと。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現している。これまでのところ、隔離対象以外の一般市中における感染例は報告されていないが、広州市当局は不要不急の省外への移動及び一定人数以上が集まる会合や食事会などをしないよう呼びかけている。

 マカオ特別行政区では4月30日まで202日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、4月30日までの累計は約119.2万人(無症状含む)、死亡者数は9095人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では30日まで7日連続500人以下を維持。30日単日では363人(輸入性25人含む)。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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