香港の新型コロナ新規感染者数290人…10日連続500人以下、ソーシャルディスタンス措置第2段階緩和へ=5/3

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月3日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から7人減の290人(輸入性21人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が132人、迅速抗原検査経由が158人。6日ぶりに上昇となったが、輸入性を除く市中ケースに限ると対前日で下落となり、10日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は119万2452人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は7人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9112人、死亡率は0.76%に。

 香港では、イースター連休明けの4月19日から小学校、5月3日からは幼稚園と中学校(日本でいう高校も含む)の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)となった。対面授業を再開した学校数は5月3日時点で2千校以上とのこと。3日朝の迅速抗原検査の陽性報告数は12例で、当局は予測の範囲内とした。

 また、4月21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となったが、5月3日午前の行政長官臨席の記者会見において、同月19日にソーシャルディスタンス措置緩和第2段階を実施することが発表された。同日からバー、サウナ、クルーズ船の営業が再開可能となり、バーの営業時間は午前2時まで、1卓あたりの着席人数は最大8人まで。レストランの営業時間は午前0時までに延長(現行から+2時間)、宴会人数も120人までに拡大(+20人)。映画館ではキャパシティの85%まで入場可能となり(+35%)、飲食も認められる。さらに、先行して5日からプール、ビーチ、水上スポーツセンター等が再開可能となり、屋外で激しい運動をする際や郊外公園ではマスクの着用義務廃止、レストランの1卓あたりの着席人数は8人となる(+4人)。

 当局は3日夕方の会見で、ソーシャルディスタンス措置の第1段階緩和後も2週間にわたって流行状況が安定し、新規感染確認数も緩やかな下落傾向にあるが、依然として単日の新規感染確認数はおよそ300人おり、市中における伝播リスクは存在するとし、第2段階の緩和はリスク評価を経て決定したものだが、市民に対して今後も個人衛生管理及びマスクの着用を継続するよう呼びかけた。

 5月2日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.2%(1回目の接種完了)、84.5%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。2日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は1万6353回で、7日移動平均は2万6392回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(70.72%)、70〜79歳(79.58%)、80歳以上(63.95%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

ソーシャルディスタンス措置の第2段階緩和を発表する香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官=2022年5月3日(写真:news.gov.hk)

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