中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は5428人、4日連続1万人以下…上海市が9割超占める=5/3

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月4日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月3日の中国本土における新規市中感染確認者数は353人(前日から15人減)だったとのこと。内訳は、上海市260人、北京市46人、河南省12人、広東省12人、黒竜江省7人、吉林省3人、江蘇省3人、浙江省3人、山東省3人、江西省2人、四川省1人、新疆ウイグル自治区1人。このうち上海市の151人、広東省の4人、浙江省の3人、吉林省の1人の計159人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは200日連続、4日連続で1千人以下となった。

 市中の無症状感染例は5075人(前日から572人減)。内訳は、上海市4722人、遼寧省128人、江西省46人、吉林省38人、河南省32人、河北省28人、江蘇省22人、浙江省20人、山東省12人、新疆ウイグル自治区10人、北京市5人、広東省4人、黒竜江省3人、安徽省1人、福建省1人、湖北省1人、広西チワン族自治区1人、四川省1人。

 無症状を含む新規感染者数は5428人で、4日連続1万人以下に。このうち上海市の報告数が4982人に上り、全体の91.8%を占めた。

 5月3日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1万4520人(うち輸入性が160人)で、重症者は620人(輸入性はゼロ)。無症状の患者12万8319人(輸入性529人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、依然として本格的な解除時期は見通せない状況。ただし、このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向を維持している。

 4月22日以降、北京市でも感染例の出現が相次いでおり、今回の再流行における感染者の累計は約450人に。ここまで市内14の区で感染確認例が出現しており、特に多いのが朝陽区で、房山区と通州区がそれに次ぐとのこと。市中に伝播チェーンが存在するとみられることから、5月3日から市内12の区で全員PCR検査(3回受検)が実施されている。目下、市内における防疫措置のみならず、同市への出入りについても制限強化が進む状況。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現。なお、これまでのところ隔離対象以外の一般市中における感染例は報告されていないという。

 このほか、河南省の鄭州市でも4日から7日間にわたって一部地域(中心部の8つの区)で移動制限などが講じられ、複数回にわたるPCR検査を実施するという。同市では高速鉄道駅で連鎖的な感染が発生したとされる。

 マカオ特別行政区では5月3日まで205日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、5月3日までの累計は約119.2万人(無症状含む)、死亡者数は9112人、死亡率は0.76%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では3日まで10日連続500人以下を維持。3日単日では290人(輸入性21人含む)。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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