中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は5038人、5日連続1万人以下…上海では減少傾向維持、北京でも防疫措置強化進む=5/4

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月5日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月4日の中国本土における新規市中感染確認者数は360人(前日から7人増)だったとのこと。内訳は、上海市261人、北京市42人、河南省14人、広東省13人、浙江省10人、吉林省4人、黒竜江省4人、江蘇省3人、江西省3人、遼寧省2人、湖南省2人、山東省1人、四川省1人。このうち上海市の185人、吉林省の2人、広東省の2人、遼寧省の1人の計190人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは201日連続、5日連続で1千人以下となった。

 市中の無症状感染例は4678人(前日から397人減)。内訳は、上海市4390人、遼寧省99人、江西省38人、江蘇省26人、河南省26人、浙江省24人、吉林省20人、河北省19人、山東省14人、北京市8人、広東省6人、新疆ウイグル自治区4人、雲南省2人、湖北省1人、広西チワン族自治区1人。

 無症状を含む新規感染者数は5038人で、5日連続1万人以下に。このうち上海市の報告数が4651人に上り、全体の92.3%を占めた。

 5月4日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1万2755人(うち輸入性が165人)で、重症者は650人(輸入性はゼロ)。無症状の患者11万8737人(輸入性526人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、依然として本格的な解除時期は見通せない状況。ただし、このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向を維持している。市当局が4日発表したところでは、近日迅速抗原検査とPCR検査を組み合わせたスクリーニング、さらには相応の防疫措置を講じたことによる効果が明瞭で、(ロックダウンレベルのより高い)封控区の人口は漸減傾向にあり、(次のレベルの)防範区の人口が増えているとのこと。工場、建設現場、流通などについても閉塞管理を講じた上で再開が進んでいる状況という。

 4月22日以降、北京市でも感染例の出現が相次ぐ。今回の再流行における感染者の累計は500人超に上り、流行初年にあたる2020年の年間累計を上回ったとのこと。市当局は4日、連日50人前後の新規感染確認例があり、市中のスクリーニングを通じて(同市では多くの区で複数回の全員PCR検査が実施されている)感染経路不明の患者も依然として出現するなど、状況は非常に深刻との見方を示した。目下、市内における防疫措置のみならず、同市への出入りについても制限強化が進む状況。このほか、北京地下鉄は4日、60の地下鉄駅の出入口が閉鎖したことを明らかにした。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現。なお、これまでのところ隔離対象以外の一般市中における感染例は報告されていないとされる。

 マカオ特別行政区では5月4日まで206日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、5月4日までの累計は約119.3万人(無症状含む)、死亡者数は9115人、死亡率は0.76%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では4日まで11日連続500人以下を維持。3日単日では313人(輸入性23人含む)。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ市政署(IAM)は11月25日、コロアン島のコロアンビレッジにある路環街市(コロアン公設市…
  2.  マカオ政府財政局が11月22日に公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2024年)1〜10月…
  3.  マカオ特別行政区政府民航局(AACM)は11月22日、同局と中国(本土)民用航空局、香港特別行政…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は11月22日、治安警察局及び消防局と合同でマカオの4つの陸路イミグレーシ…
  5.  マカオの主要な空の玄関口・マカオ国際空港の運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun