香港の新型コロナ新規感染者数324人…13日連続500人以下キープ=5/6

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月6日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から3人増の324人(輸入性29人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が144人、迅速抗原検査経由が180人。4日連続で増加となったが、13日連続500人以下を維持し、顕著なリバウンドと呼べるレベルには至っていない。近日、輸入性を除いた市中のケースに限ると、300人前後で小幅な増減を繰り返している状況。第5波開始以来の累計感染者数は119万3086人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は11人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9131人、死亡率は0.765%に。

 香港では、流行状況の安定を受けて、イースター連休明けの4月19日から小学校、5月3日からは幼稚園と中学校(日本でいう高校も含む)の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)となった。6日時点で対面授業を再開した学校の数は2300校以上に上り、6日朝の学校からの陽性報告数は23人(学生15人、教職員8人)とのこと。直近7日間で同一校から複数人の陽性報告があったのは7校で、調査の結果、いずれも市中で感染したとみられ、対面授業再開後に校内で感染連鎖が出現したケースはないとしている。

 また、4月21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となった。5月5日からはプール、ビーチ、水上スポーツセンター等が再開可能となり、屋外で激しい運動をする際や郊外公園ではマスクの着用義務廃止、レストランの1卓あたりの着席人数は8人に(+4人)。さらに、19日からは緩和第2段階が本格実施される予定で、バー、サウナ、クルーズ船の営業が再開可能となり、バーの営業時間は午前2時まで、1卓あたりの着席人数は最大8人まで。レストランの営業時間は午前0時までに延長(現行から+2時間)、宴会人数も120人までに拡大(+20人)。映画館ではキャパシティの85%まで入場可能となり(+35%)、飲食も認められる。

 5月5日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.3%(1回目の接種完了)、84.9%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。5日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万0289回で、7日移動平均は2万8076回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(71.03%)、70〜79歳(79.8%)、80歳以上(64.57%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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