中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は1227人…上海は3日連続1千人以下、ロックダウン解除に現実味=5/17

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月18日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月17日の中国本土における新規市中感染確認者数は227人(前日から65人増)だったとのこと。内訳は、上海市96人、北京市52人、四川省49人、天津市16人、吉林省9人、河南省3人、江蘇省1人、青海省1人。このうち上海市の56人、天津市の10人、北京市の9人、四川省の2人、吉林省の1人、河南省の1人の計79人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは214日連続、15日連続で500人以下となった。

 市中の無症状感染例は1000人(前日から113人増)。内訳は、上海市759人、四川省152人、天津市39人、北京市17人、安徽省15人、河南省8人、吉林省3人、江蘇省3人、遼寧省1人、浙江省1人、湖北省1人、広東省1人。

 無症状を含む新規感染者数は1227人で、5日連続2千人以下に。このうち上海市の報告数が855人に上り、全体の69.7%を占めた。上海では3日連続1千人以下を維持。

 5月17日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は5205人(うち輸入性が178人)で、重症者は301人(輸入性はゼロ)。無症状の患者4万7718人(輸入性441人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 今年に入って以降、オミクロン変異株の流入に伴い、中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態にある。ただし、このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向にあり、市当局は5月中の社会面清零(隔離対象以外の一般市中におけるゼロコロナ状況)実現を目標として掲げていたが、17日時点で市内全16区でこれを実現できたとの見方を示した。今後、封鎖エリアの縮小、開放を順次進め、6月1日から中・下旬にかけて正常化を図る計画も明らかにされた。

 4月22日以降、北京市でも連日2桁の感染例が続いており、これまでの累計感染者数は1100人超に上る。市中では職域クラスターが複数発生しており、依然として社会面(隔離対象ではない一般市中)における伝播チェーンが断ち切れていない状況とされる。豊台区では不要不急の区外への移動を制限する措置が講じられるなど、市内における防疫対策の強化が進んでいる。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現。また、省南部の湛江市でも5月7日から倉庫会社を発端とした複数の感染者が出現したが、般市中への拡散はない模様。

 マカオ特別行政区では5月17日まで219日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、3月初旬にピークを過ぎたとされる。第5波開始以来、5月17日までの累計は119.6万人(無症状含む)、死亡者数は9148人に。17日単日では328人(輸入性39人含む)で、4日ぶりに増加となったが、24日連続で500人以下を維持。死亡者も直近2日連続ゼロ。目立ったリバウンドは発生していないものの、直近2週間は200〜300人前後で下げ止まっている状況。ソーシャルディスタンス措置の緩和を受けて、近日はクラスターの発生が続いているが、政府は17日、予定通り19日からソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和を実施すると発表。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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