香港の新型コロナ新規感染者数190人…ピーク期以降の最少更新=5/23
- 2022/5/23 18:43
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。
2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、このところは単日200〜300人程度を行き来しており、下げ止まっている。
香港衛生当局が5月23日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から47人減の190人(輸入性28人含む)とのこと。2日ぶりに減少となり、第5波ピーク期以降の最少を更新した。200人以下となるのもピーク期以降で初めて。第5波開始以来の累計感染者数は約119.8万人。新規の死亡報告数は3日連続ゼロで、第5波開始以来の累計死亡者数は9157人。
香港では、4月から段階的に水際措置を緩和したため、このところ輸入性の感染例が連日出現し、人数は30人前後。オミクロン変異株亜種(BA.4、BA2.12.1など)の感染者も相次ぎ見つかっている。
また、流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が段階的に進んだ。ソーシャルディスタンス措置の緩和以降、クラスターの発生が相次ぎ、関連感染者数が数十人規模に達した例もあるほか、多くのエリアの下水検査で陽性や高いウイルス量が検測されているものの、目立ったリバウンドは出現していない。
当局は23日夕方の会見で、近日の単日の新規感染者数は200〜300人程度だが、今後は増加も減少もありうるとの見通しを示した。目下の流行状況は比較的落ち着いており、汚水検測データなどの各種指数も下向きにあるとのこと。ただし、オミクロン変異株の伝播スピードが加速することを憂慮しており、重症化及び死亡リスクを軽減するため、ワクチン接種が最も重要であると述べた。
5月22日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.8%(1回目の接種完了)、86.4%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、このところは再び頭打ち状態に。22日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万7019回で、7日移動平均は3万3037回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(72.97%)、70〜79歳(80.59%)、80歳以上(66.59%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。