中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が2日ぶり100人超に…北京で増、バーで発生のクラスター拡大=6/10

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海など一部地域で比較的大規模な再流行が出現した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が6月11日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月10日の中国本土における新規市中感染確認者数は65人(前日から35人増)だったとのこと。内訳は、北京市36人、内モンゴル自治区19人、上海市7人、遼寧省3人。このうち内モンゴル自治区の1人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは238日連続で、16日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は73人(前日から30人増)。内訳は、北京市25人、内モンゴル自治区24人、上海市9人、広西チワン族自治区6人、遼寧省3人、吉林省3人、福建省1人、雲南省1人、甘粛省1人。

 無症状を含む新規感染者数は138人で、2日ぶりに100人超となった。5月末にロックダウンが解除となった上海市では目立ったリバウンドは出現していないものの、依然として社会面(隔離対象ではない一般市中)における感染者が散発的に出現している。4月下旬から再流行が続く北京市については、すでに多くのエリアで社会面におけるゼロコロナを達成し、一部を除いて正常化が進んでいたが、近日、朝陽区にあるバーで発生したクラスターが2日間で30人規模まで拡大している模様。市当局は10日の会見で、クラスターが発生したバーは密な状態にあり、客層も様々で、伝播リスクが大きく、コードのスキャンや検温、PCR検査陰性証明の確認をしないと言った防疫規定に違反した入店もあったことから、防疫対応の難度が高く、今後これに関連する感染例が増える可能性があるとした。目下、本件に関して濃厚接触者とされた人の数は4402人、二次接触者は52人に上るという。当局では、社会面に見えない感染源が存在するとして市民に対して事態を軽視しないよう促した。朝陽区ではバー、インターネットカフェ、カラオケ店といった娯楽スポットがすべて営業停止となり、21ヶ所の重点区域でPCR検査によるスクリーニングが実施されているとのこと。このほか、これまでにもしばしば再流行が出現していた内モンゴル自治区(特にシリンゴル盟)で多くの感染例が出現する状況が続く。

 6月10日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は786人(うち輸入性が191人)で、重症者は24人(輸入性ゼロ)。無症状の患者2798人(輸入性477人)が医学観察下にあるとのこと。

 このところ中国本土の状況は安定してきたが、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に軽微なリバウンドが発生しており、単日の新規市中感染確認数は長く続いた200〜300人水準から400〜500人水準まで上昇。9日及び10日は600人超に。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持している。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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