香港の新型コロナ新規市中感染確認者数は1323人…前日から2割超の増加、7日連続1千人超=6/22

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、このところ再び増加に転じている。

 香港衛生当局が6月22日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から247人増の1323人。内訳はPCR検査経由が583人、迅速抗原検査経由が740人。7日連続で1千人超となった。

 輸入性は2人増の124人。このうち74人が空港到着時、34人が指定ホテルでの隔離検疫中、16人が検疫期間を終えて市中に出た後の検査でそれぞれ発見に至ったもの。市中に出た後に発見に至った人の大半はCT値が高かったことから再陽性(感染歴あり)とみられるが、一部CT値が低い人もいたとのこと。

 市中と輸入性の合計は前日から249人増の1447人、1千人超となるのは8日連続。第5波開始以来の累計感染確認数は約121.8万人。

 新規の死亡報告数は1人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9184人に。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和して以降、輸入性の感染例が連日出現しており、オミクロン変異株亜種(BA.4、BA2.12.1など)の感染者も相次ぎ見つかっている。また、3月下旬以降に流行状況が安定したことを受けて、4月中旬から5月中旬にかけて学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が進んだ。

 ただし、5月19日のソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和でバーの営業が再開可能となって以降、複数のバーでクラスターの発生が相次ぎ、関連感染者数が3ケタに達したほか、隔離検疫ホテルで発生した交差感染をきっかけに市中でのオミクロン変異株亜種(BA2.12.1など)の伝播につながったケースなどもある。

 22日の学校からの陽性報告数は190人(学生159人、教職員31人)で、前日から23人増。このところ対面授業再開初期の平均水準を大きく上回る状況が続く。

 このほか、空港のフェデックス勤務者の1人がオミクロン変異株亜種のBA.4あるいはBA.5に市中感染した可能性があることも明らかとなった。当局では、患者は潜伏期間中の外遊歴、旅客との接触のいずれもなかったことから市中感染例としてカウントしたが、空港で感染した可能性は高く、感染源について再調査を進めているとした。

 6月21日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は92.5%(1回目の接種完了)、88.3%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、このところは再び頭打ち状態に。21日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は1万6046回で、7日移動平均は1万8860回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(75.42%)、70〜79歳(81.62%)、80歳以上(68.76%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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