マカオ、2022年3〜5月期の総体失業率3.4%に…前回調査から0.1ポイント良化

 マカオ政府統計調査局は6月24日、最新(2022年3〜5月期)の雇用統計を公表。総体失業率が3.3%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は4.4%だった。

 いずれも前回調査(2022年2〜4月期)から0.1ポイント(pt)下落(良化)したが、依然としてリーマンショックの影響があった2009年以来の高水準が続く状況。不完全雇用率は0.4pt上昇の3.4%。

 2022年3〜5月期のマカオ居住の労働人口は37.76万人、労働参加率は68.3%。就業人口は前回調査から5600人減の37.48万人、マカオ居民に限ると2900人減の27.59万人。業界別では、ホテル・飲食業で減少、カジノ・カジノ仲介業で増加した。

 失業人口は前回調査時から500人減の1.28万人。求職中の失業者のうち直前までカジノ・カジノ仲介業と建設業に従事していた人の数が多かった。このほか、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は0.4pt上昇の6.6%。

 不完全就業者数は1100人増の1.27万人。カジノ・カジノ仲介業と建設業で人数が多かった。

 前年同時期との比較では、総体失業率が0.4pt上昇。不完全雇用率と労働参加率が0.8pt、0.6ptのそれぞれ下落。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約8.85万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から5300人減の46.61万人。

 マカオで雇用の調整弁となっているのは海外労働者で、コロナ禍で厳しい経済情勢の中、マカオ政府労工局(DSAL)はマカオ居民の雇用の継続と優先就業を確保するため海外労働者数の調整を行っていることを明らかにしている。DSALの最新統計によれば、今年4月末時点における海外労働者数は16万6611人で、前月末から1127人、前年同月末から6511人のそれぞれ減だった。このところ減少傾向が続いている。

 また、DSALは24日午前に発出したプレスリリースの中で、昨今の就業状況の変化を注視しており、ジョブマッチングやジョブフェアの開催、職業訓練等の実施などを通じて、マカオ居民の就業サポートに継続的に取り組んでいるとした。今年1〜6月にマカオ居民3579人の就職をサポートし、前年のジョブマッチング実績(約3200人)を上回ったとのこと。

 なお、マカオでは6月18日深夜から新型コロナの市中感染の拡大が続いており、雇用市場への影響も懸念されている。

マカオで開催されたジョブマッチングイベントの様子(写真:DSAL)

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