オミクロンBA.5流行のマカオが1週間の”社会相対静止”状態突入へ…カジノも閉鎖

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、陽性者の出現が続いている。(以下、「6・18アウトブレイク」と表記)

 6・18アウトブレイクは、感染力が非常に強いオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」が市中へ流入(感染源不明)し、急速に伝播が拡大したものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 直近3日間の陽性者数は減少傾向にあるが、依然として社会面(隔離対象以外の一般市中)から発見に至るケースが毎日2桁に上っている。6月18日から7月9日の累計の陽性者数は1374人。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる7月9日夕方の定例記者会見の中で、防疫措置の一環として、7月11日午前0時から7日間にわたり”社会相対静止”を実施する行政長官令が発出されたことがアナウンスされた。

 期間中、社会運営及び市民の生活維持に必要とされる以外の企業・事業場所の運営は停止が求められる。カジノも閉鎖に。例外となるのは水道、電気、天然ガス、燃料、通信、公共交通機関(路線バスは運休)、ホテル(宿泊部門)、ビル管理、ホールセール、生活物資輸送、公設市場、スーパー、レストラン(テイクアウトのみ)、薬局、クリニックなど。

 また、ステイホームを基本とし、外出は業務上必要な場合、生活物資の購入、緊急要件に限るとし、成人はKN95規格以上のマスクを着用することが求められる。

 違反した場合、最高で懲役2年または240日分の罰金が科されるとのこと。

 7月10日から18日にかけて、全市民対象のPCR検査によるスクリーニングの実施が予定され、2日に1回の受検する必要があるが、検査を目的とした外出は必要な行為とみなされる。

 なお、政府はロックダウンではないと説明。社会相対静止(会見で使われた中国語の表現をあえてそのまま引用した)は聞き慣れない言葉だが、措置の内容からセミロックダウンのようなイメージといえよう。政府としては、厳格な防疫措置の実施を通じて、ゼロコロナ達成時期を早めたい意向。

”社会相対静止”についての説明がなされたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる会見の様子=2022年7月9日(写真:GCS)

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