中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が10日連続300人超…広東省は7市から42人=7/11

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月12日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月11日の中国本土における新規市中感染確認者数は69人(前日から23人増)だったとのこと。内訳は広東省22人、河南省9人、海南省9人、山東省8人、上海市5人、江蘇省5人、安徽省5人、内モンゴル自治区2人、浙江省2人、四川省1人、陝西省1人。このうち山東省の6人、広東省の2人、浙江省の1人、四川省の1人の計10人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは269日連続で、6日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は278人(前日から28人減)。内訳は河南省64人、上海市54人、山東省54人、江蘇省23人、広東省20人、安徽省19人、甘粛省19人、福建省11人、海南省7人、江西省3人、広西チワン族自治区3人、陝西省1人。

 無症状を含む新規感染者数は347人で、12日連続100人超、また10日連続300人超となった。

 7月11日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1060人(うち輸入性が422人)で、重症者はゼロ。無症状の患者3208人(輸入性375人)が医学観察下にあるとのこと。

 近日、香港・マカオと隣接する広東省では、省内の多くの都市で感染者が出現している。11日の感染例は42人に上り、広州市、深圳市、中山市、仏山市、茂名市、清遠市、珠海市から報告されたケース。このうちマカオの隣に位置する珠海市で幼稚園教諭1人が感染確認されたが、発熱外来を受診したことが発見のきっかけになったという。中山市では単日14人の感染例が出現し、市内の学校では対面授業と校外トレーニング活動が停止となった。

 5月末に長期のロックダウンが解除となり、正常化が進んだ上海市だが、近日再び多くの市中感染が出現している。11日の感染例59人のうち3人がPCR検査によるスクリーニングを通じて一般市中から発見され、感染確認の1人が長寧区、無症状の2人が浦東新区という。

 河南省では11日の感染例が73人と急増し、うち68人が駐馬店市に集中していた。

 安徽省宿州市泗県で発生した規模の大きな再流行は緩和傾向を維持。同省の新規感染例24人すべてが同県の隔離対象者の中から発見に至ったもの。

 このところ中国本土の状況が総じて落ち着いてきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3千前後(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、12日午前0時までの累計は1583人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、7月17日まで継続することがアナウンス済み。11日から18日まではセミロックダウンともいえる”社会相対静止”状態に入っている。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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