中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が約1ヶ月半ぶり400人超に…広東省珠海市でオミクロンBA.5の流行拡大=7/14

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月15日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月14日の中国本土における新規市中感染確認者数は64人(前日から22人減)だったとのこと。内訳は甘粛省30人、広東省17人、海南省7人、上海市6人、江西省2人、内モンゴル自治区1人、河南省1人。このうち海南省の5人、甘粛省の5人、広東省の3人の計13人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは272日連続で、9日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は368人(前日から162人増)。内訳は広西チワン族自治区165人、河南省51人、甘粛省41人、上海市39人、広東省39人、江蘇省13人、山東省9人、江西省7人、福建省3人、海南省1人。

 無症状を含む新規感染者数は432人。400人超となるのは5月25日以来、約1ヶ月半ぶりのこと。

 7月14日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1139人(うち輸入性が449人)で、重症者は1人(輸入性ゼロ)。無症状の患者3336人(輸入性372人)が医学観察下にあるとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、このところ省内の多くの都市で感染者の出現が相次ぐ。14日の感染例は56人に上り、うち珠海市、中山市、仏山市、茂名市、深圳市、広州市、清遠市の7市に分布。このうちマカオの隣に位置する珠海市が最多の38人を占めた。同市の流行はオミクロン変異株の派生型、BA.5とされ、感染者数の拡大が続く。

 5月末に長期のロックダウンが解除となり、正常化が進んだ上海市だが、近日再び多くの市中感染が出現。14日の感染例はすべて隔離対象の中から発見に至ったケース。 このほか、甘粛省、河南省、広西チワン族自治区など各地で感染例が増加している。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3千前後(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、15日午前0時までの累計は1675人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、7月17日まで継続することがアナウンス済み。11日から18日まではセミロックダウンともいえる”社会相対静止”状態に入っている。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。

広東省・珠江西岸各都市を結ぶインターシティ鉄道の珠海駅(資料)—本紙撮影

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