香港の新型コロナ新規感染確認者数が4日連続4千人超に…増加続く見通し、市民に防疫措置遵守呼びかけ=7/24

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。

 香港衛生当局が7月24日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から30人増の4064人、輸入性は45人減の186人だった。

 輸入性の感染例は51の国・地域からの到着者。発見に至った検査地点・タイミングは空港が76人、隔離検疫ホテルが75人、隔離検疫期間を満了して市中に出た後が35人。

 市中と輸入性の合計は前日から15人減の4250人。4日連続4千人超となった。第5波開始以来の累計感染確認数は約130.9万人。

 医管局からの新規死亡報告数は8人(75〜103歳)、第5波開始以来の累計死亡者数は9256人に。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和して以降、輸入性の感染例が連日出現しており、オミクロン変異株派生型の感染者も相次ぎ見つかっている。3月下旬以降に一旦流行状況が安定したことを受けて、4月中旬から5月中旬にかけて学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が進んだ。

 ただし、5月19日のソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和でバーの営業が再開可能となって以降、複数のバーで大規模なクラスターの発生が相次いだほか、隔離検疫ホテルで発生した交差感染をきっかけに市中でのオミクロンBA2.12.1の伝播につながったケースなどもある。こうした状況や6月中旬以降のリバウンドを踏まえ、ソーシャルディスタンス措置の一層の緩和は見合わせとなっており、少なくとも7月27日までは現状維持が決まっている。

 当局は、新規感染確認数は高位にあり、減少に転ずる兆候はなく、2〜3週で倍増する勢いとの見方を示した上、前のピーク時ほどの感染者数と増加スピードはないが、市民に対して防疫措置を遵守するよう重ねて呼びかけを行った。加えて、近日の死亡例の多くがワクチン未接種だったことを挙げ、80歳以上の未接種の患者の死亡率は16%だが、3回接種をした場合は1%とし、ワクチン接種の重要性を強調した。

 7月23日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は92.9%(1回目の接種完了)、89.3%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。23日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は1万4230回で、7日移動平均は1万1715回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(77%)、70〜79歳(82.1%)、80歳以上(69.79%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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