中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は952人…海南省が約6割、広東省では5日連続2桁=8/9

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が8月10日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月9日の中国本土における新規市中感染確認者数は380人(前日から30人増)だったとのこと。内訳は海南省285人、広東省39人、内モンゴル自治区27人、チベット自治区10人、福建省8人、浙江省5人、広西チワン族自治区2人、湖北省1人、重慶市1人、四川省1人、貴州省1人。このうち海南省の14人、浙江省の5人、広西チワン族自治区の2人、福建省の1人、チベット自治区の1人の計23人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは298日連続で、6日連続3桁となった。

 市中の無症状感染例は572人(前日から94人増)。内訳は海南省285人、新疆ウイグル自治区122人、浙江省49人、湖北省24人、新疆生産建設兵団21人、チベット自治区18人、広西チワン族自治区11人、河南省10人、広東省7人、内モンゴル自治区5人、江西省5人、河北省3人、安徽省2人、福建省2人、湖南省2人、重慶市2人、四川省1人、貴州省1人、雲南省1人、甘粛省1人。

 無症状を含む新規感染者数は952人で、7日連続増となった。

 8月9日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2896人(うち輸入性が607人)で、重症者は5人(輸入性2人)。無症状の患者5440人(輸入性677人)が医学観察下にあるとのこと。

 省区市別で最多となったのは海南省で、全体の約6割を占める570人。同省では8月2日以降に三亜市を中心に感染例が急増し、オミクロンBA.5.1.3の流行とされている。三亜市における今回の流行が始まって以来の累計感染者数は約2千人に達した。同市では6日午前6時から人の流動を抑制する目的で準ロックダウンに相当する静態管理状態に入っており、高頻度のPCR検査によるスクリーニングを展開。中国各地から医療支援チームも現地入りしている。三亜市はリゾート地として知られ、多くの旅客が滞留を余儀なくされているが、9日に4回に分けて500人超が島を離れ、当局は継続して対応を進めるとしている。

 香港・マカオに隣接する広東省では、近日落ち着いた状況が続いたが、8月5日以降は5日連続で2桁の感染例が出現。9日の感染者46人のうち24人が湛江市から報告されたケース。同市では省外から流入したオミクロンBA.5.1.3とBA5.2派生型の2つの伝播チェーンが存在するとされる。マカオに隣接する珠海市からは2人で、いずれも隔離対象の中から発見に至ったとのこと。このほか、マカオからの輸入例が1人報告され、マカオからの隔離検疫免除での通関が再開してから2人目となる(1人目の患者の接触者として隔離中だった)。患者はマカオで就労し、両地の間を往来していたとのことだが、8月9日に受検したPCR検査結果が陽性で、4、6、7日の受検結果は陰性だったという。

 他にも各地で再流行が散発しており、ウイルス型もさまざま。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では4〜5千前後(輸入性含む)となっている。マカオでは6月中旬から市中でオミクロンBA.5.1の流行が続き、累計1800人超に達した。ただし、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる厳格な防疫措置を講じて対応した結果、8月1日までにゼロコロナ状態を実現。マカオと広東省珠海市との間では、3日午後6時から条件付きの隔離検疫免除による相互往来が約1ヶ月半ぶりに再開した。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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