香港の新型コロナ新規感染確認者数が再び6千人突破…約4ヶ月半ぶり=8/18

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。

 香港衛生当局が8月18日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から248人増の5811人、輸入性は49人増の243人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から297人増の6054人で、6千人超となるのは今年3月31日以来のこと。第5波開始以来の累計感染確認数は約142.6万人。

 輸入性の感染例の発見に至った検査地点・タイミングは空港が121人、隔離検疫ホテルが51人のほか、隔離検疫期間(3日間)満了後の到着4〜7日目に採取した検体から発見に至ったケースが50人、同8〜14日目が31人。10人以上となった国・地域は、インド(31人)、タイ(27人)、英国(27人)、フィリピン(20人)、シンガポール(14人)、日本(13人)、カナダ(12人)。

 新規死亡報告数は5人で、年齢は50〜92歳。新型コロナワクチン3回接種済みは1人のみだった。第5波開始以来の累計死亡者数は9375人に。

 直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は1886人、このうち新規の入院患者が265人とのこと。容体は危篤が34人、深刻が22人など。

 当局では、8月15日までのデータとして、新規感染者に占めるオミクロンBA.5の割合が27.2%に上昇し、BA.2.12.1は9%であり、BA.5に置き換わりが進み、主流となったことで、近日の感染者数の増につながったとの見方を示した。また、近日は3歳以下の感染率が前月比で上昇しているという。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和して以降、輸入性の感染例が連日出現しており、オミクロン変異株派生型の感染者も相次ぎ見つかっている。3月下旬以降に一旦流行状況が安定したことを受けて、4月中旬から5月中旬にかけて学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が進んだ。

 ただし、5月19日のソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和でバーの営業が再開可能となって以降、複数のバーで大規模なクラスターの発生が相次いだほか、隔離検疫ホテルで発生した交差感染をきっかけに市中でのオミクロンBA2.12.1の伝播につながったケースなどもある。こうした状況や6月中旬以降のリバウンドを踏まえ、ソーシャルディスタンス措置の一層の緩和は見合わせが続いており、少なくとも8月24日までは現状維持が決まっている。8月初旬には入境者の隔離検疫期間が3日間まで短縮されており、当局はこれが輸入性感染例の増につながること、また現状の隔離検疫期間満了後に発見に至るケースの割合を想定の範囲内としている。

 18日の学校からの陽性報告数は36校から48人。多くの学校で休暇に入ったため、近日は数字が下落している。学校のみならず、高齢者介護施設などグループホーム、医療機関からの陽性報告も相次いでおり、小規模なクラスターも出現している。

 8月17日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.2%(1回目の接種完了)、90.0%(2回目の接種完了)、69.8%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。17日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は1万9997回で、7日移動平均は1万8724回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(5.5%)、3〜11歳(78.9%)、70〜79歳(82.37%)、80歳以上(70.23%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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