香港の新型コロナ新規感染確認者数が5ヶ月ぶり1万人超に…今後も増加続く見通し=9/1

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が9月1日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から1075人増の1万0342人、輸入性は16人増の244人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から1091人増の1万0586人。1万人超となるのは約5ヶ月ぶり(3月25日以来)のこと。第5波開始以来の累計感染確認数は約153.9万人。

 新規死亡報告数は11人、年齢は78〜94歳。第5波開始以来の累計死亡者数は9488人に。

 近日、入院患者数の増が続く中、8月21日夜にランタオ島のアジアワールドエキスポ内の臨時病院が再稼働したほか、すでに公立病院における病床調整プランが発動され、コロナ患者用の病床確保が進むが、一方で緊急性を要しない医療サービスに影響が生じ始めている。直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は2627人で、このうち新規の入院患者が349人とのこと。容体は危篤が48人、深刻が58人など。

 このところの目立ったリバウンドの出現要因として、主流株がオミクロンBA.5へ置き換わりつつあることが指摘されている。最新データでは、BA.4あるいはBA.5感染疑いの全体に占める割合が60%に達した。具体的には、BA.5が52.8%、BA.4が7.2%、BA.2.12.1が6.5%、BA.2.2が33.5%。

 当局は、感染者数は依然として増加途上にあり、香港大学の調査による最新の実効再生産数が1.36となっていることを挙げ、今後も増加が続くとの見通しを示したが、どのくらいのスピードで、どの程度まで増えるは現時点で予測できないとした。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後に、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。

 8月31日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.5%(1回目の接種完了)、90.5%(2回目の接種完了)、72.0%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。31日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万4216回で、7日移動平均は2万3615回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(11.41%)、3〜11歳(80.62%)、70〜79歳(82.57%)、80歳以上(70.52%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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