中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が1万人超に…広東省と河南省で3千人超、北京市でも3桁に=11/10
- 2022/11/11 10:34
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月11日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月10日の中国本土における新規市中感染確認者数は1150人(前日から17人増)だったとのこと。内訳は広東省546人、河南省124人、重慶市114人、内モンゴル自治区98人、北京市64人、山西省53人、四川省41人、新疆ウイグル自治区30人、甘粛省15人、雲南省14人、黒竜江省9人、湖南省8人、青海省8人、遼寧省5人、山東省5人、陝西省5人、天津市2人、江蘇省2人、貴州省2人、河北省1人、浙江省1人、安徽省1人、江西省1人、湖北省1人。このうち広東省の257人、甘粛省の12人、四川省の7人、北京市の4人、山西省の4人、青海省の3人、内モンゴル自治区の1人、黒竜江省の1人、重慶市の1人、雲南省の1人、陝西省の1人の計292人が無症状から感染確認へ転じた事案。
市中の無症状感染例は9385人(前日から1694人増)。内訳は河南省2881人、広東省2461人、内モンゴル自治区1113人、重慶市669人、新疆ウイグル自治区638人、黒竜江省251人、甘粛省221人、山西省183人、青海省158人、雲南省106人、山東省104人、湖北省99人、河北省95人、四川省70人、湖南省69人、北京市54人、安徽省36人、天津市35人、福建省28人、陝西省17人、遼寧省14人、浙江省13人、チベット自治区13人、江蘇省12人、広西チワン族自治区12人、江西省9人、寧夏回族自治区7人、貴州省6人、吉林省5人、上海市4人、海南省2人。
無症状を含む新規感染者数は1万0535人で、6日連続増。また、今年4月29日以来の1万人超えとなり、当時は上海で大規模なロックダウンをはじめ、各地で目立った再流行が出現していた。
11月10日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は9915人(うち輸入性が530人)で、重症者は25人(輸入性ゼロ)。無症状の患者6万0282人(輸入性1141人)が医学観察下にあるとのこと。
11月10日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日から1増。このうち広東省(3007人)、河南省(3005人)、内モンゴル自治区(1211人)の3省区が4桁に上ったほか、重慶市(783人)、新疆ウイグル自治区(668人)、黒竜江省(260人)、山西省(236人)、甘粛省(236人)、青海省(166人)、雲南省(120人)、北京市(118人)、四川省(111人)、山東省(109人)、湖北省(100人)の11省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。
香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増している。10日の新規感染者数は前日と同数の3007人で、9割超が広州市からの報告例。ここまで感染例が集中しているのが海珠区では準ロックダウン措置など強固な防疫対策の効果が出始めたというが、近日は茘湾区で目立った感染増、番禺区でも伝播チェーンの拡大が続いている状況で、市内の広い範囲で厳格な移動制限措置、PCR検査によるスクリーニングなどが実施されている模様。
このほか、近日は河南省でも報告例が急増しており、大半が鄭州市から。北京市でも3桁まで増え、オミクロンBF.7が主とのこと。同市では物流、建設現場、学校等で複数のクラスター発生も認知されている。このような状況の中、中国4大モーターショーの一角で、世界的な影響力も大きいとされる2年に一度の北京モーターショーの開催中止が発表された(当初は今年4月予定だったが当時の流行状況を鑑み延期になっていたもの)。
中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。なお、マカオ市中では10月26日以降、相次いで珠海市から流入した輸入性あるいは輸入関連性の陽性者が出現したが、11月5日までに安全が確認されたとして従前の常態防疫体制に戻った。