マカオ市中でコロナ陽性者出現相次ぐ…輸入性及び輸入関連性事案

 11月14日、マカオ市中で2人の新型コロナ陽性者が相次いで出現した。マカオ市中で陽性者が出現するのはおよそ半月ぶりのこと。

 1人目はマカオ居住で広東省珠海市拱北地区の地下街にある小包取扱店が並ぶエリアで勤務する中国本土出身の男性(34)。先に珠海市で陽性が発覚した患者と同一時間帯に居合わせていたとする情報がマカオ衛生当局にもたらされ、14日朝にマカオでPCR検査を行ったところ、弱陽性が発覚(輸入性事案)。これまでのところ同住の妻と子の検査結果は陰性で、一家の暮らす集合住宅が局地ロックダウンされた。

 2人目は実習生としてコタイ地区の統合型リゾート内にあるレストランに勤務するマカオ居民の女性(21)。女性の両親は10月29日にポルトガルからシンガポール経由でマカオに戻り、入境後の隔離検疫期間中に陽性となったが、治療を経て11月9日に隔離解除され、10日に自宅に戻ったばかりだった。その後、両親が13日に再検査を受けた際に陽性となり、この女性(娘)が同住者として濃厚接触者に指定された後の検査で陽性が発覚するに至った(輸入関連性事案)。こちらについては、一家の暮らす集合住宅のほか、勤務先のレストランが閉鎖された。

 マカオ衛生当局は、14日夕方に臨時会見を開き、同日出現したケースはいずれも感染経路がはっきりしているため、現時点で全市民を対象としたPCR検査を実施する考えはなく、市中における伝播リスクも低いとの見方を示した。目下、濃厚接触者及び同時間帯に居合わせた人を対象としたPCR検査が実施されている。また、今週後半にはマカオグランプリ及びマカオフードフェスティバルといった大型イベントの開催が予定されているが、影響が及ぶものではなく、状況に変化が生じた場合は速やかに公表するとした。

 なお、マカオは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持しているが、中国本土との間では隔離検疫免除での相互往来が実現済み(リスク指定地区を除く)。それ以外から入境する場合は義務的隔離検疫を受ける必要がある。これまでマカオの市中で陽性者が出現した際、全市民対象PCR検査を複数回実施して安全性を確認するなど大掛かりな対応が実施されてきたが、中国(中央)当局が11日により的を絞った対応を求める新たな防疫策を発表しており、マカオもこれに追随する姿勢を示している。

輸入性陽性者の居住する集合住宅に対する消毒作業の様子=2022年11月14日(写真:マカオ政府市政署)

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