中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が再び2万人超に…11日連続増、広東省でも6千人突破=11/15

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月16日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月15日の中国本土における新規市中感染確認者数は1568人(前日から53人減)だったとのこと。内訳は広東省564人、河南省200人、北京市197人、重慶市126人、内モンゴル自治区82人、山西省66人、陝西省62人、四川省61人、黒竜江省35人、新疆ウイグル自治区30人、江蘇省25人、雲南省22人、福建省19人、山東省13人、甘粛省13人、浙江省12人、貴州省10人、湖南省6人、海南省6人、遼寧省4人、湖北省4人、天津市2人、上海市2人、安徽省2人、チベット自治区2人、青海省2人、河北省1人。このうち広東省の369人、重慶市の16人、陝西省の15人、甘粛省の13人、北京市の10人、四川省の6人、内モンゴル自治区の4人、山西省の3人、浙江省の2人、福建省の2人、湖南省の2人、雲南省の2人、海南省の1人、貴州省の1人、新疆ウイグル自治区の1人の計450人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は1万8491人(前日から2340人増)。内訳は広東省6215人、重慶市2688人、甘粛省2688人、河南省1674人、内モンゴル自治区1194人、新疆ウイグル自治区816人、青海省531人、河北省408人、黒竜江省288人、山西省259人、四川省248人、陝西省191人、湖南省185人、雲南省185人、北京市174人、山東省156人、江蘇省126人、安徽省82人、天津市78人、湖北省78人、浙江省37人、広西チワン族自治区35人、貴州省27人、遼寧省24人、吉林省23人、江西省20人、福建省15人、寧夏回族自治区15人、上海市14人、チベット自治区12人、海南省5人。

 無症状を含む新規感染者数は2万0059人で、11日連続増。また、5日連続5桁(1万人超え)となり、2万人を上回ったのは今年4月24日以来のこと。上海市での大規模なロックダウンをはじめ、各地で目立った再流行が出現していた時期にあたる。

 11月15日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1万5345人(うち輸入性が525人)で、重症者は29人(輸入性ゼロ)。無症状の患者12万1499人(輸入性975人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月15日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日から1増。このうち広東省(6779人)、重慶市(2814人)、甘粛省(2701人)、河南省(1874人)、内モンゴル自治区(1276人)の5省区が4桁に上ったほか、新疆ウイグル自治区(846人)、青海省(533人)、河北省(409人)、北京市(371人)、山西省(325人)、黒竜江省(323人)、四川省(309人)、陝西省(253人)、雲南省(207人)、湖南省(191人)、山東省(169人)、江蘇省(151人)の12省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。15日の新規感染者数は前日から1146人増の6779人で、約6200人が広州市からの報告例。同市の流行はオミクロンBA.5.2によるものとされる。市内の広い範囲で厳格な防疫対策が講じられており、市民の生活にも影響が生じている模様。市当局は15日午後の会見で、14日までに市内で6つの臨時医療施設が運用を開始したことを明らかにし、病床数は約2万床、医療スタッフ約4万人規模で、主に無症状感染者の隔離観察を行うとした。省内その他は深圳市、中山市、仏山市などからの報告例。

 このほか、オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市では6日連続3桁となり、社会面から発見に至ったケースも80人に上った。緩やかな増加傾向が続く状況。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。ただし、マカオ市中では14日に2人、16日に1人の陽性者(輸入性及び輸入関連性)が相次いで出現し、このうち2人が広東省珠海市からの輸入性。当局は感染経路が明瞭であることなどから市中伝播リスクは低いとの見方を示しているが、マカオ当局は珠海市からの入境にあたって制限を強化する動きもある。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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