第69回マカオグランプリ無事閉幕…F4優勝は地元マカオ選手、二輪レースが3年ぶり復活
- 2022/11/20 19:10
- ツーリズム
マカオで年に一度開催されるモータースポーツの祭典「マカオグランプリ」。1954年にスタートした歴史ある大会で、市街地の公道を転用した全長約6.2kmの「ギアサーキット」が舞台となる。
今年(2022年)の第69回大会がきょう(11月22日)夕方、全日程を消化して無事に閉幕した。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まって3年目を迎え、マカオでは依然としてゼロコロナ政策が堅持されているものの、マカオグランプリは継続開催されてきた。
過去2大会は通常より1日短い3日間開催だったが、今大会は実に3年ぶりとなる通常の4日間(11月17〜20日)に。ただし、開催レースについては前々回、前回に続いてグレード及び世界的な注目度も高い「マカオ4大看板レース」のうち「F3グランプリ」、「WTCR(世界ツーリングカーカップ)」、「GTワールドカップ」は開催されず代替レースとなり、二輪車による「マカオモーターサイクルグランプリ」が3年ぶりに復活するにとどまった。
今大会の開催レースは7種で、「第54回マカオモーターサイクルグランプリ」を除く6レースにマカオ政府とカジノ経営コンセッションを締結する6陣営がそれぞれスポンサー。具体的には、「サンズチャイナ・フォーミュラ4(F4)マカオグランプリ」、「ギャラクシーエンターテインメント・マカオGTカップ」、「ウィンマカオ・ギアレース-TCRアジアチャレンジ」、「MGM・マカオツーリングカーカップ-チャイナツーリングカーチャンピオンシップ」、「メルコ・グレーターベイエリアGTカップ」、「SJM・マカオロードスポーツチャレンジ」。なお、大会の冠スポンサーは3年連続なしに。
コロナ禍での開催は3回目となり、今大会も徹底した防疫措置が講じられた。水際措置に伴い海外との往来が困難な状況にあり、参加選手は地元マカオ、中国本土、香港が中心だが、隔離検疫期間が以前より短縮されたこともあり、欧州など海外からの参戦も増えた。なお、日本選手は3大会連続ゼロ。
大会最終日(3日目)となる20日は、各レースの決勝が行われた。メインは午後3時40分スタートの「サンズチャイナ・フォーミュラ4(F4)マカオグランプリ-レース2(12周)。グランプリの象徴的存在といえるF3の代替として2020年大会から開催されているカテゴリーで、今回が3回目。優勝は地元マカオの鄭穎聰(アンディ・チャン)選手(所属チーム:チャンプ・モータースポーツ)。3番手スタートながら、4周目、6周目のいずれもマンダリンコーナーで順位を1つずつ上げ、以降はタイム差を拡げながらトップを維持した。2年連続2位からリベンジ初優勝を飾った。2位はポールポジションスタートだった香港の若干16歳、マカオ初参戦の謝咏霖(ジェラード・シェ)選手(スマートライフ・レーシング)。首位とのタイム差は5秒958。3位は2番手スタートで3年連続優勝を目指したマカオの梁瀚昭(チャールズ・リョン)選手(セオドール・ブラックジャック・レーシング)。2位と3位のタイム差は8.128秒。二度のセーフティカー出動があったものの、トップ3による熾烈な争いは見応えがあった。
2年連続2位からの初優勝を飾った鄭選手はレース後の会見で、優勝は難しいと思っていたが、レーシングカーがとても良い状態だったとし、数多くの調整を実施するなど競争力を与えてくれたとクルーに感謝を示した。マカオ初参戦で表彰台となった謝選手は非常に良い経験になったとコメント。三連覇を逃した梁選手は苦笑いを浮かべて「マカオ三連覇はやはり難しい」とした上、準備と予算不足で鄭選手に敵わず、モータースポーツの難しさを実感したと述べた。
また、マカオ政府体育局の潘永権局長は閉幕後に囲み取材に応じた際、4日間累計の入場者数は延べ約7.6万人に上り、目標及び予想に達したことを明らかにした。参考までに前回大会は3日間で約5.6万人だった。