中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が4万人超に…重慶市と広東省が9千人超で最多=11/27

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月28日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月27日の中国本土における新規市中感染確認者数は3748人(前日から100人増)だったとのこと。内訳は広東省1347人、北京市840人、重慶市238人、山西省162人、河南省157人、四川省157人、雲南省133人、内モンゴル自治区121人、山東省90人、浙江省65人、福建省56人、黒竜江省54人、陝西省54人、遼寧省50人、河北省40人、江蘇省30人、新疆ウイグル自治区24人、湖南省23人、貴州省22人、湖北省18人、上海市16人、海南省10人、吉林省8人、安徽省8人、甘粛省8人、天津市6人、チベット自治区5人、青海省4人、広西チワン族自治区2人。このうち広東省の968人、重慶市の73人、雲南省の40人、北京市の28人、浙江省の26人、黒竜江省の23人、四川省の21人、山西省の18人、甘粛省の8人、福建省の7人、江蘇省の5人、山東省の4人、陝西省の4人、青海省の4人、河北省の3人、内モンゴル自治区の3人、湖南省の3人、広西チワン族自治区の2人、海南省の2人、貴州省の2人の計1244人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は3万6304人(前日から446人増)。内訳は重慶市9447人、広東省7761人、北京市3048人、四川省1710人、吉林省1578人、山西省1158人、陝西省988人、新疆ウイグル自治区982人、河北省949人、山東省882人、青海省754人、天津市689人、河南省665人、湖北省665人、甘粛省637人、雲南省550人、寧夏回族自治区469人、内モンゴル自治区444人、遼寧省425人、黒竜江省412人、江蘇省398人、広西チワン族自治区396人、湖南省373人、安徽省323人、浙江省190人、上海市128人、福建省91人、貴州省75人、江西省66人、海南省37人、チベット自治区13人、新疆生産建設兵団1人。

 無症状を含む新規感染者数は4万0052人で、8日連続増。また、17日連続5桁(1万人超え)となり、5日連続で3万人を上回った。上海市での大規模なロックダウンが実施されるなど各地で目立った再流行が出現していた今年4月中旬頃を上回る水準に。

 11月27日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は3万3129人(うち輸入性が781人)で、重症者は104人(輸入性ゼロ)。無症状の患者34万2488人(輸入性1692人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月27日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日と同数。このうち重慶市(9685人)、広東省(9108人)、北京市(3888人)、四川省(1867人)、吉林省(1586人)、山西省(1320人)、陝西省(1042人)、新疆ウイグル自治区(1006人)の8省市が4桁に上ったほか、河北省(989人)、山東省(972人)、河南省(822人)、青海省(758人)、天津市(695人)、雲南省(683人)、湖北省(783人)、甘粛省(645人)、内モンゴル自治区(565人)、遼寧省(475人)、寧夏回族自治区(469人)、黒竜江省(466人)、江蘇省(428人)、広西チワン族自治区(398人)、湖南省(396人)、安徽省(331人)、浙江省(255人)、福建省(147人)、上海市(144人)の19省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。27日の新規感染者数は前日から17人増の9108人で、10日連続1万人以下となったものの、依然として高止まりが続く。9割超がオミクロンBA.5.2の流行は発生しているとされる広州市からの報告例。市内でも特に海珠区に集中しているが、区の東部にある準ロックダウン対象外のエリアについては28日から地下鉄、バスの運行が再開されたという。省内その他の都市でも流入防止や人流抑制策などが講じられ、警戒が高まっている状況。新たに東莞市でも市当局から不要不急の市外への移動及び社交活動を控える呼びかけがなされた模様。マカオに隣接する珠海市は18人で、うち6人が隔離対象ではない一般市中から発見に至ったケースとのこと。

 このほか、重慶市では感染例の増加傾向が続き、広東省を上回り全国最多となった。また、オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市でも近日は感染例が増加傾向にあったが、27日は前日から400人超の減。同市では市中伝播だけでなく、市外から同市入りした人の感染報告も増加しており、22日から市外から同市入りした人に対して3日間で3回のPCR検査受検を求める措置がスタートし、24日からは公共交通機関時に48時間以内のPCR検査陰性証明の提示を求める措置も講じられた。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持するマカオについては、基本的に市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持しているものの、このところマカオ市中及び珠海市でマカオ滞在歴のある輸入性あるいは輸入関連性の陽性例が相次ぎ確認され、珠海市からの入境にあたって制限を強化する動きもある。26日朝、輸入性患者と同じバスに乗り合わせた人の陽性(輸入関連性事案に位置付け)が発覚し、緊張が高まっている。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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