サンズグループ、外国人ディーラー導入を希望

マカオでカジノ運営ライセンスを持つ6社によるコタイ地区の開発ラッシュが進行している中、市場では将来の人材獲得合戦に注目が集まっている。そんな中、サンズグループのギルマン社長兼最高経営責任者が地元マカオ人のみがディーラーになれるという現行制度をマカオ政府が改めない限り、人材不足に陥る可能性があると米国で表明したという。

9月27日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。外国人ディーラー導入について、SJMグループのアンブロース・ソー取締役会会長は現時点では立場を明確にしておらず、人材マーケットの推移を注視しながら、必要に応じて政府との間で折衝をすればよいとの慎重な姿勢を示している。

マカオ政府統計調査局のデータによると、今年第2季におけるマカオのディーラー数は2万4031名。2015年から18年にかけて順次開業を予定しているコタイ地区の新カジノではさらに1万人のディーラーが必要との予測を海外メディアが報じている。

サンズグループのギルマン社長兼最高経営責任者は米国の投資フォーラムに出席した際、マカオ政府が現状のマカオ人のみをディーラーへ登用する制度を改め、外国人への門戸を開放しない限り、人材市場が頭打ちになるとの見方を示している。

一方、SJMのアンブロース・ソー取締役会会長は、新施設のオープンラッシュが2016から17年となることから、人材育成の時間的余裕もあるため、人材の補充は可能との見方だ。各プロジェクトの進捗状況により人材需要も流動的であることから、外国人ディーラーの導入に就いて言及するのは時期尚早としている。

なお、マカオカジノ従業員総会(幸運博彩業職工總會)の梁孫旭副理事長は外国人のディーラーの導入について断固反対の立場を表明。そもそもマカオ政府がカジノライセンスを対外開放したのは地元市民の就業機会の拡大及び生活環境の改善が目的だったというのがその理由。現在、ディーラーの平均報酬は1万7600パタカとなり、よりよい生活が営める水準に達しているという。また、カジノディーラーになるためは比較的容易な職業訓練を受けるだけでよいことから、低所得者の転職先として希望の星でもあるという。外国人ディーラーを受け入れた際、海外から安い賃金で人材流入が予想されることから、地元マカオ人の生活に犠牲を強いることになると警鐘を鳴らす。

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本誌撮影

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本誌撮影

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