2022年マカオのカジノ売上に占めるVIPルームの割合は24%…下落傾向続く

 かつてマカオのカジノ売上の大半がVIPルームによるものだったが、近年はマス(平場)シフトが顕著となっている。

 新型コロナウイルス感染症の影響が生じた2020年2月以降もVIPルームの占める割合は縮小が続き、2021年末には大手仲介業者(ジャンケットプロモーター)「サンシティ」トップの逮捕を発端としたジャンケット系VIPルームの大量閉鎖もあった。

 このほどマカオのゲーミング(カジノ等ギャンブル)規制当局(博彩監察協調局=DICJ)が公表した昨年第4四半期(2022年10〜12月)のゲーミング統計によれば、VIPルームによるカジノ売上を反映するVIPバカラ売上は前年同期比55.8%減の21.67億パタカ(日本円換算:約347億円)で、全体に占める割合は4.8ポイント下落の20.9%にとどまった。

 昨年通期のVIPバカラ売上は101.49億パタカ(約1624億円)で、全体に占める割合は前年から8.7ポイント下落の24.1%に。5割未満となるのは4年連続。

 マカオのカジノ市場はコロナ禍で長期低迷を余儀なくされたが、昨年12月からウィズコロナに移行し、今年1月8日にはPCR検査証明なしでの入境が可能となったことを受けて急回復している。ただし、昨年カジノ関連法の改正が相次ぎ、ジャンケットに対する規制も大幅に強化され、経営環境は厳しさを増しており、ライセンス事業者数は9年連続で減少した。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  3.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …
  4.  マカオ政府統計・センサス局は11月20日、今年第3四半期(2024年7〜9月)の金融業人材需給及…
  5.  マカオ政府公共建設局(DSOP)の発表によれば、コタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun