マカオ、春節GW5日目までの累計インバウンド旅客数は約31.8万人…対前年314.4%増

 長くゼロコロナ政策を堅持し、厳格な水際措置を講じてきたマカオだが、昨年(2022年)12月から政策転換が進み、今年(2023年)1月8日にウィズコロナへ完全移行するに至った。

 これと同時並行で水際措置の大幅緩和も進んだ。隔離検疫は撤廃され、中国本土、香港、台湾から入境する場合はいかなる新型コロナ検査証明も不要に。海外からについてもPCR検査陰性証明を迅速抗原検査(セルフ検査)陰性結果で代用できるようになっている。

 近日は地理的に近い中国本土及び香港からの旅客を中心に、インバウンド旅客数が急回復している状況。中国本土でも事実上のウィズコロナへの転換が進み、マカオとの相互往来にあたり新型コロナ絡みの手続きが全く必要なくなった。香港ではマカオから入境する場合の水際措置は従前から緩和が進んでおり、マカオの政策転換を受けてマカオ〜香港間の交通機関も相次ぎ再開している。

 マカオでは、年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)シーズンを迎えている。状況が一変して以降で初めての春節となり、インバウンド旅客数がどの程度まで回復するかが注目される。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)では、中国本土で年に複数回ある大型連休にあたるゴールデンウィーク(GW)について、治安警察局提供資料を元に前年対比のインバウンド旅客数データを公表している。今年(2023年)の春節GWは大晦日にあたる1月21日から1月27日までの7日間で、比較対象は昨年(2022年)1月31日から2月6日までの同じく7日間。

 MGTOが公表した1月26日更新の最新データによれば、春節GW5日目(1月25日)の総インバウンド旅客数は前年同日から269.5%増の7万3374人(延べ、以下同)だったとのこと。内訳は、中国本土旅客が139.9%増の4万4501人、香港旅客が2391.4%増の2万5911人。全体に占める割合は中国本土旅客が50.6%、香港旅客が35.3%。

 春節GW5日目までの累計では、総インバウンド旅客数が314.4%増の31万8038人で、このうち中国本土旅客が155.1%増の18万2250人、香港旅客が2763.0%増の11万7842人。全体に占める割合は中国本土旅客が57.3%、香港旅客が37.1%。普段、マカオのインバウンド旅客数に占める割合は中国本土が約8割、香港が約1割であることを考慮すると、香港旅客の急伸が今年春節GWのインバウンド旅客数を大きく底上げしている状況といえる。

 また、5日目までの単日平均は291.9%増の6万3607人となっており、MGTOによる事前予想値の4.7万人を大きく上回る状況。内訳は、中国本土旅客が140.8%増の3万6450人、香港旅客が2609.0%増の2万3568人。

 春節GW期間中のインバウンド旅客数は、1日目から4日目まで上昇が続き、5日目に下落に転じるかたちとなった。ピークとなった4日目の単日インバウンド旅客数はコロナの影響が生じて以降の最多となる9万0391人に上った。5日目は下落に転じたとはいえ、3日目を上回っている状況(コロナ後2番目)。

 中国本土における連休は27日までだが、香港では25日までとなっており、春節GW残り2日間は下落が続く可能性もあり、7日間トータルで当局予測を上回ることができるかがポイントといえる。

 マカオで新型コロナの影響が生じたのは2020年春節の直前のこと。参考までに、コロナ前2019年の春節GW7日間の総インバウンド旅客数は121万3487人で過去最多、単日平均は約17.3万人だった。

春節GW中、旧市街地のメインストリート「新馬路」を歩行者天国とする「新馬路任我行」が人気を集めた(写真:マカオ政府文化局)

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