マカオ税関が豪華クルーザー使った中国本土からの密航事案摘発

 マカオでは、しばしば密航事案の摘発があるが、粗末な木造のボートやゴムボートを使い、夜の闇に紛れて上陸するケースがほとんど。近日、豪華クルーザーで白昼堂々マリーナから上陸を試みるという珍しい事案が摘発され、注目を集めている。

 澳門海關(マカオ税関)は2月21日、同月19日にマカオ半島北部にある林茂塘遊艇會(ラマウ・ドック・マリーナ)でクルーザーを使った密航ほう助事案を摘発したと発表。

 税関の発表によれば、19日午前、クルーザーの操縦者であるマカオ人の男2人がマリーナに到着した後、身分確認及び入境手続きを経て合法的に上陸したが、税関職員が届出のない男女2人が船内から操縦者の男らに続いて上陸を図ったのを発見。男女2人は入港者としての届け出がなく、またマカオ滞在に必要な身分証を所持しておらず、操縦者の2人が関係性を説明できなかったことから、密航の可能性があるとして調査のため税関本部に身柄を移送するに至ったとのこと。

密航に使われたクルーザー(写真:澳門海關)

 その後、税関がマリーナ及びマカオ海域のスマート監視システムの記録を確認したところ、操縦者の2人が事前に申請していたマカオのコロアン島ハクサビーチ付近海域ではなく、マカオ海域を離れて広東省の東澳島方面に向かい、約2時間後にマリーナへ戻っていたことが判明。税関の調べに対し、操縦者の2人は密航ほう助を否定したが、乗船していた男女2人は密航であったと認め、東澳島付近の海域でクルーザーに迎えられたと説明したことから、操縦者のマカオ人の男2人と密航者の中国本土出身の男女2人を密航ほう助などの罪で逮捕、検察院送致したという。

 税関では密航は重大犯罪にあたるとし、市民に対して絶対に関わるべきではないとし、もし密航活動を発見した場合、税関の24時間ホットラインに通報するよう呼びかけた。

マカオ税関が逮捕、検察院送致した男女4人(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオのマカオ半島とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte Ma…
  2.  マカオで2つの統合型リゾート(IR)を運営するMGMチャイナホールディングス(以下、MGM)は9…
  3.  マカオの新公立病院「マカオ協和医院(正式名称参考日本語訳:離島医療コンプレックス北京協和医院マカ…
  4.  マカオ政府保安司司長弁公室は9月16日に会見を開き、今年上半期(2024年1〜6月)の犯罪統計及…
  5.  マカオ政府財政局(DSF)が9月16日に公表した最新統計によれば、今年(2024年)8月の住宅売…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun