マカオ、建設中・設計段階のホテルは20軒、約5200室分…2023年1Q

近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の新口岸地区を中心に大型カジノIR(統合型リゾート)、ホテルを含む複合ビル等の建設ラッシュが続く。コロナ禍でやや遅延が生じていた計画もあったが、状況に目立った変化はないようにうかがえる。

マカオ政府土地工務局は4月18日、今年第1四半期(2023年1〜3月)時点で建設中のホテルが12軒、設計段階(5年以上更新のないプロジェクト含まず)のものが8軒あり、供給客室数は前者が3934室分、後者が1308室分に上ることを明らかにした。昨年第4四半期と前年同時期との供給客室数を比較すると、建設中のホテルで17.23%減と23.43%減、設計段階で10.35%減と28.21%減に。(エリア別内訳は文末のデータ参照)

マカオ政府統計調査局の最新資料によれば、今年2月末時点で営業中のホテル数は前年同時期から6軒増の126軒、客室供給数は0.3%増の3.88万室となっている。

今年2月末時点の数字に建設中及び設計段階の数を加えると、将来的にホテル数が146軒、客室供給数が4.4万室で、ホテル数が約16%増、客室供給数が約13%増という規模となる。

2023年4月にオープンした新ホテル「スタジオ・シティ/エピックタワー」の客室(資料)=コタイ地区スタジオ・シティにて本紙撮影

マカオのホテル開発をけん引するのがカジノIR運営会社だ。今年1月に新たなカジノ運営コンセッション(10年間)がスタートしたばかりで、事業者の顔ぶれは従来と変わらず。すでに着手していた新ホテルのオープンの加え、新コンセッション下で新たな計画が出てくる可能性もありそうだ。

マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られ、2019年の年間インバウンド旅客数は過去最多の約3940万人、平均客室稼働率は90.8%に上った。

しかしながら、コロナ禍に見舞われた2020年以降はインバウンド旅客数の減に伴うホテル客室稼働率の低迷が続いた。昨年通期のインバウンド旅客数は前年から26.0%減の570万0339人、平均ホテル客室稼働率は11.7pt下落の38.4%だった。

なお、マカオは昨年12月から事実上のウィズコロナ政策に転換し、今年1月8日に水際措置が大幅緩和された。以降、インバウンド旅客数は急回復し、ホテル客室稼働率も大幅に改善が進む状況。最新統計によれば、今年1〜2月累計の客室稼働率は前年同時期から27.5ポイント上昇の73.6%、ホテル宿泊客数は71.7%増の173.0万人に上った。

【資料】
2023年第1四半期時点で建設または設計段階のホテルデータ(エリア別)
<マカオ半島>
・建設中:9軒 1000室
・設計段階:6軒 550室
<タイパ島>
・建設中:1軒 126室
・設計段階:1軒 301室
<コタイ地区>
・建設中:2軒 2808室
・設計段階:なし
<コロアン島>
・建設中:なし
・設計段階:1軒 457室

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ特別行政区政府民航局(AACM)は11月22日、同局と中国(本土)民用航空局、香港特別行政…
  2.  澳門海關(マカオ税関)は11月22日、治安警察局及び消防局と合同でマカオの4つの陸路イミグレーシ…
  3.  マカオの主要な空の玄関口・マカオ国際空港の運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)…
  4.  マカオ政府統計・センサス局は11月22日、昨年(2023年)のマカオの産業構造統計を公表。マカオ…
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun