マカオ、2022年度の薬物乱用者登録数が前年比6割減

 今年度(2023年度)の第1回目となるマカオ反薬物委員会全体会議が6月15日に開催され、マカオにおける薬物犯罪事案及び取り締まり状況の概要説明、昨年度の「マカオ薬物乱用者中央登録システム」に関するデータの紹介、青少年の薬物問題対策ワーキングチームによる報告などが行われた。

 昨年度の「マカオ薬物乱用者中央登録システム」に関するデータについては、登録者総数は85人で、前年から63.2%減だったとのこと。このうち21歳未満は同66.7%減の4人。登録者が使用した薬物の種類は「アイス」と呼ばれる覚せい剤が26.7%で最も多く、次いで大麻の17.4%。毎月平均の薬物代は2013パタカ(日本円換算:約3.5万円)、使用場所は自宅、友人宅、ホテル客室が主で、合計8割超を占めた。登録者数が減少した理由については、潜伏化が進んだことのほか、コロナ禍で一時運用をストップしたり、限定的な運用をせざるを得なかった状況もあったとの見方が示された。

 同委員会の会長で、政府社会工作局(IAS)の韓衛局長は、水際措置の緩和に伴い、通関往来正常化進む中、今後ボーダーを跨ぐ薬物の取引が増えることを懸念しており、近隣地域の関連部門と交流及び協力を強化しながら対策を講じるとともに、青少年向けの抑止教育についても積極的に取り組んでいく考えを示した。

2023年第1回マカオ反薬物委員会全体会議の様子=2023年6月15日(写真:IAS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  2.  マカオ司法警察局は9月17日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして中国…
  3.  マカオ治安警察局は9月17日、マカオでロシア人旅客の女2人に対して違法売春活動の支援、手配を提供…
  4.  マカオ司法警察局は9月16日、カジノ施設内外で暗躍する人物らが無認可宿泊施設に滞在しているとの通…
  5.  マカオの道路名表示板といえば、ポルトガル伝来のアズレージョと呼ばれるタイルを用いた趣のある造りで…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun