京都を拠点とするマカオの現代芸術家シーズン・ラオ氏が仏ニース国立東洋美術館で個展開催

 今年で開館25周年を迎えたフランスの三大国立東洋美術館の一つ、ニース国立東洋美術館にて、5月13日から11月25日まで、現在京都を拠点とするマカオ出身の現代美術家、シーズン・ラオ(劉善恆)氏の個展《虛室・生白 KYOSHITSU SHOHAKU 》 – Une pièce vide devient blanche pour l’illumination Exposition SEASON LAOが開催されている。

 同美術館はモダ二ズム建築の巨匠、丹下健三氏の設計。所在地のニースはモダンアートの聖地であり、ピカソ、マチス、シャガール、イヴ・クラインなど芸術家とゆかりがありながら、コート・ダジュールは世界で有名なリゾート地でもある。本展は年に一度の全欧ナイトミュージアムやカンヌ国際映画祭、モナコのF1レースなどのイベントと同時に一部作品を先行公開し、多くの来場者に好評を得ているとのこと。

ニース国立東洋美術館の会場風景(写真提供:シーズン・ラオ氏)

 展示作品ではラオ氏の偶発的な自然現象の雪、霧から生じる余白の平面作品をはじめ、美術の空間と鑑賞者、主体と客体の境界を無くすことにより広がるインスタレーション作品「虛室・生白」と立体シリーズなど約40点が公開されている。同氏が近年取り組んでいるマカオ、日本でも発表したシリーズ「氷蓮図」に加え、マリオット系列のザ・リッツ・カールトンホテルのコレクションをきっかけに生まれた新シリーズである「寒松三日月図」の長さ22メートル大作も初登場となっている。本展に関連する図録は秋に日本、フランスで出版され、ニース国立東洋美術館の設計を手掛けた建築家の丹下憲孝氏とラオ氏の対談などが収録される予定という。

ニース国立東洋美術館の会場風景(写真提供:シーズン・ラオ氏)

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