マカオから中国本土へ自家用車で大量の中古バッテリーの密輸図った運び屋摘発

 澳門海關(マカオ税関)は7月22日、同月21日に広東省との陸路の玄関口のひとつにあたる横琴イミグレーションの自家用車用出境ゲートの税関検査場で違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に絡む中古バッテリーの密輸事案を1件摘発したと発表。

 税関によれば、21日午前、リスク管理システムによる予備警戒アラートを通じ、横琴イミグレーションから中国本土側へ向かうマカオナンバーの自家用車1台を調査対象としたところ、運転手のマカオ人の女(36)は税関職員に対して税関申告が必要な物品はないと告げたが、車両に対する詳細検査で車内の座席下やトランクなどから中古バッテリー2900点=約11万6000パタカ(日本円換算:約207万円)相当=が見つかったという。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた中古バッテリー(写真:澳門海關)

 運転手は当該物品の輸出に必要な書類を提示できず、税関の調べに対して報酬を得て物品を密輸したと説明したとのこと。税関は本件の背後に密輸組織が存在するものとみて追跡を進めているとした。

 なお、この運転手の女については隠蔽工作により密輸を図ったとして対外貿易法違反で起訴したとのこと。最大5万パタカ(約89万円)の罰金が科されるという。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた中古バッテリー(写真:澳門海關)

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2023」を展開する中、税関でも水際での警戒を強化して臨んでいるとし、市民に対して物品の出入りに関する法令の遵守、またいかなる運び屋行為にも関与しないよう呼びかけた。

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、パソコン用のパーツなどが目立っている。

マカオ税関が押収した大量の中古バッテリー(写真:澳門海關)

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