マカオ、モバイル決済額が対前年6.9%増に…クレカは16.2%増=2023年2Q
- 2023/8/7 19:21
- 産業・経済
マカオ金融管理局は8月7日、今年第2四半期(2023年4〜6月期)のクレジットカード、デビットカード、モバイル決済に関する統計を公表。
モバイル決済の取引件数と取引額が対前年増、またマカオの銀行が発行した個人向けクレジットカード及びデビットカードの発行枚数についても同様。決済総額についてはクレジットカードが増加、デビットカードは下落に。詳細は以下の通り。
今年第2四半期のモバイル決済の取引件数は前年同時期から7.7%上昇の7388万件、決済総額は6.9%増の68億パタカ(日本円換算:約1211億円)で、1取引当たりの平均決済額は92.2パタカ(約1640円)。今年6月末時点のモバイル決済受理端末及び二次元バーコード付きサイネージの数は前年同時期から6.4%増の約9万9226台。
今年6月末時点におけるマカオの銀行が発行した個人向けクレジットカードの総数は171万9334枚で、前年同時期から3.4%増、同デビットカードの総数は219万8794枚で、8.8%増。
今年6月末時点におけるマカオの銀行が承認したクレジットカードの与信総額は前年同時期から1.5%増の485億パタカ(約8635億円)。カード債券総額は28億パタカ(約499億円)で、このうち支払い先送り分が未収債券の27.7%にあたる7億7000万パタカ(約137億円)。支払い予定日から3ヶ月以上の未収金比率は0.2ポイント下落の2.6%。
今年第2四半期のマカオ発行クレジットカードの決済総額は前年同時期から16.2%増の59億パタカ(約1051億円)。このうち、キャッシングが1億6000万パタカ(約28億円)で、決済総額の2.7%を占めた。決済件数は8.3%増の913万件。このほか、利息及び手数料を含む返済総額は7.2%増となる58億パタカ(約1033億円)。現金引き出しを除くデビットカードの決済件数は35万件、決済総額は5億9000万パタカ(約105億円)。
参考までに、マカオの人口は約67万人。マカオ政府は2021年、新型コロナ経済支援対策の一環として、市民のモバイル決済プラットフォームアカウントに電子マネーを配布する初の試みを実施。昨年も6月から同様のスキームが再実施されており、10月には新たな電子マネーでの給付金もあった。コロナ禍でオンラインショッピングやモバイルアプリを活用したフードデリバリーの利用も進んでおり、現金決済からキャッシュレス決済の移行が急速に進んでいる。ただし、政府は電子マネーによる新たな給付金の計画はないとしており、以前のような底上げ効果は期待できず、今後どの程度定着するかが注目される。