マカオで今年6人目のツツガムシ病感染例確認…患者はコロアン島でのトレッキングが日課の高齢者

 マカオ政府衛生局(SSM)は8月7日午後、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病とみられる患者が新たに1人報告されたと発表。

 患者はリタイア生活を送るマカオ人の男性(74)で、7月24日に発熱と全身筋肉痛等の症状が出たため医療機関を受診。その後、8月1日に高熱が続いたため公立総合病院・仁伯爵綜合醫院の救急外来を受診し、入院治療の運びとなった。同院での検査で、胸骨下部に豆粒大のかさぶたが見つかり、症状などからツツガムシ病、呼吸窮迫症候群、循環性ショックと臨床診断されたとのこと。患者の危篤状態で、人工呼吸器により呼吸を維持している状況とのこと。

 SSMが患者の家人に聞き取り調査したところ、患者は妻とともに毎日コロアン島の東北トレイルへウォーキングにでかけ、草むらの中に入ることがあったという。最後にトレッキングに出かけたのは7月24日で、潜伏期間中に香港を訪問したが、郊外型公園でのアクティビティやトレッキングには出かけておらず、家族及び同行者の中に類似の症状も出ていないとのこと。

 マカオでツツガムシ病の感染者が確認されるのは今年6人目。すべて5月中旬以降の事案で、6月に4人の感染確認が相次いだが、6月中旬以降はしばらく途絶えていた。本来マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケースであるものの、昨年から今年にかけては域内での感染例が主となっている。

 なお、昨年はマカオ半島北部と中部にある公園での感染例が目立ったが、今年確認された感染者6人はいずれも業務やアクティビティでコロアン島の山や公園などの緑地を訪れ、草むらの中で活動していたという共通点がある。SSMでは、公園の草むらや郊外で野外活動を行う際に適切な予防対策を講じるよう呼びかけている。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)=本紙撮影

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