マカオの2022年ホテル業調査結果公表…業界全体の赤字は1千億円超に

 マカオ政府統計調査局は9月15日、昨年(2022年)のホテル業調査結果を公表。

 昨年のマカオの宿泊施設数(ホテル及びエコノミー宿泊施設)は前年から2軒増の133軒、従業員数は4401人減の3万5749人だった。業界の収入は前年から23.8%減の147.2億パタカ(日本円換算:約2698億円)、支出についても7.1%減の211.4億パタカ(約3875億円)に。前々年、前年に続いて支出が収入を上回る状況で、64.3億パタカ(約1179億円)の赤字となり、赤字幅は前年から29.9億パタカ(約548億円)拡大。業界の経済貢献を示す付加価値総額は48.7%下落の37.3億パタカ(約684億円)、総固定資本形成は35.5%縮小の60.1億パタカ(約1102億円)。

 昨年時点のホテル数は前年から9軒増の99軒。従業員数は4327人減の3万5541人。ホテルの収入は23.8%減の146.9億パタカ(約2693億円)。内訳はベニュー貸出料が57.7億パタカ(約1058億円)、客室宿泊料・サービスが41.1億パタカ(約753億円)、料飲サービス収入が29.5億パタカ(約541億円)で、それぞれ20.1%、34.0%、24.7%減。支出は7.0%減の211.0億パタカ(約3868億円)。内訳は人件費が101.4億パタカ(約1859億円)、営業費用が94.4億パタカ(約1730億円)、購買・コミッション支出が15.1億パタカ(約277億円)で、それぞれ5.1%、6.6%、20.0%減。ホテルの通年の赤字は64.1億パタカ(約1175億円)。

 ホテル等級別では、5つ星、4つ星、3つ星とも収入が前年から2割超の下落に。また各等級で赤字が出現し、赤字額は5つ星が54.8億パタカ(約1004億円)、4つ星が4.8億パタカ(約88億円)、3つ星が3.8億パタカ(約70億円)となった。

 エコノミー宿泊施設の数は34軒、従業員数は208人。収入は2712万パタカ(約5.0億円)、支出は4094万パタカ(約7.5億円)で、1379万パタカ(約2.5億円)の赤字に。

 マカオでは昨年(2022年)のほぼ全年を通じて新型コロナ防疫措置の一環として厳格な水際措置が維持されたほか、アウトブレイクの出現による準ロックダウン措置が複数回講じられ、ツーリズム業界は大打撃を受けた。ウィズコロナへの移行が始まったのは年末のこと。今年に入って以降、インバウンド旅客数の急回復に伴い、ホテル業界関連指標も上向きに転じている。

大型統合型リゾート(IR)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の町並み(写真:MGTO)

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