銀河娯楽の呂志和会長がマカオカジノ王―14年長者番付
- 2014/1/10 14:25
- 産業・経済
2013年のマカオのカジノ売上が過去最高となる3,600億パタカを突破したことが発表されたばかりだが、マーケットでは今年もさらなる成長を見込み、1月のカジノ売上を前年同月比15-20%と予想もある。こうした情報に投資家も高反応を示し、マカオのカジノ関連株は上場来高値を更新し続けており、カジノ企業オーナーの資産総額も急上昇している。
1月10日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。1月9日(現地時間)に「フォーブス」誌の2014年香港長者番付が発表され、ギャラクシーエンタテインメント社(銀河娯楽)の呂志和会長が株価の上昇を受けて昨年の5位から2位へと順位を上げ、純資産は2年連続で倍増、最新の資産総額は210億ドル(単位:米ドル、以下同。日本円換算:約2兆2029億円)となった。現在、マカオの六大カジノ企業(SJM、ギャラクシーエンタテインメント、サンズチャイナ、メルコ・クラウン、MGMチャイナ、ウィンマカオ)の時価総額は1兆5千億ドルを超え、2012年のマカオの総生産の4倍に相当する。
「フォーブス」誌の2014年香港長者番付で首位となったのは長江集団の李嘉誠会長で総資産320億米ドル。番付トップ50人のうち、5名がカジノ関連企業に関連する人物で、2位に銀河娯楽の呂志和会長、9位にMGMチャイナの何超瓊(パンジー・ホー)会長、12位にメルコ・クラウン・インターナショナルの何猷龍(ローレンス・ホー)会長兼CEO、19位に梁安琪(アンジェラ・リョン)氏、46位に陳婉珍氏が入った。何超瓊氏はトップ10で唯一の女性となった。
クレディスイスのリポートによると、2014年1月の最初の5日間のカジノ売上は57億ドルとなり、毎日平均11.4億ドル、前年比18%増。同社では1月の月間カジノ売上は前年比15~20%程度の増を見込んでいる。また、スイス銀行ではマカオのマスゲーミング市場が伸びるとし、2014年の通年総カジノ収益を14%増、そのうちマスゲーミング収益を25%の大幅増、VIPカジノを9%増になると予想。
今週1月8日にマカオのカジノ関連株が急騰したのを受け、9日の六大カジノ企業はわずかに下落したが、終値ベースの時価総額は1兆5千億ドルを超え、2012年のマカオの総生産3,482億ドルの4倍を上回る。
有識者によると、カジノ企業の株価上昇が市場価値を押し上げることは正常な現象という。六大カジノ企業はこれまでにマカオで2,000億ドルを超える投資を行い、今後コタイ地区のプロジェクト向けにさらに2,000億ドルを投じる予定だ。また、カジノ各社はマカオ以外に海外への投資も実施または計画しており、市場価値に反映される。上昇企業の市場価値は配当能力の高低で見られることも多いが、近年のカジノ各社の配当能力は良好で、健康的な水準にあり、経済的実力を備えるといえる。六大企業は市場価値の拡大にもかかわらず、株価収益率は21~55倍あり、短期的には持続可能性が最も注目される点となる。予見可能な将来として、ゲーミング収益に上昇により、一層投資の拡大につながるとみられる。