マカオ、2023年8月の平均ホテル客室稼働率は88.7%…1〜8月累計では80.9%

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷した主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復している。

 今年8月のインバウンド旅客数は前年同月比872.2増、前月比16.7%増の322万1691人、今年1〜8月累計では前年同期比363.1%増の1762万7112人。ここまで4月終了時点で昨年通期を超過、そこからわずか1ヶ月の5月終了時点で昨年の2倍に達し、さらに6月終了時点で1千万人の大台を突破。2千万人到達が目前に迫る状況だ。

 マカオ政府統計調査局は9月27日、今年8月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は88.7%で、前年同月から53.8ポイント(pt)上昇、前月からは0.3pt下落。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から59.0pt上昇の90.9%、4つ星が49.3pt上昇の88.1%、3つ星が44.5pt上昇の81.3%、2つ星ホテルが42.4pt上昇の89.5%、エコノミー宿泊施設が38.9pt上昇の82.7%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が22.2%増、4つ星ホテルが12.7%増、3つ星ホテルが23.5%増、2つ星ホテルが16.1%増、エコノミー宿泊施設が0.8%増だった点も考慮する必要がある。

 今年8月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から16軒増の136軒、供給客室数は20.0%増の4.46万室あり、このうち5つ星ホテルが3軒増の36軒で、供給客室数は全体の60.3%を占める2.69万室。

 今年8月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比234.7%増の131.0万人。このうち中国本土からの旅客が267.3%増の96.8万人、香港からの旅客が1200.7%増の20.6万人、台湾からの旅客が1231.5%増の2.7万人。一方、コロナ禍インバウンド低迷期にステイケーション需要等で稼働率の下支えをした地元マカオ客は53.8%減の4.8万人。前年同月はゼロだった日本人旅客は約5700人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日短い1.6日に。

 今年1〜8月累計の平均客室稼働率は前年同時期から43.4pt上昇の80.9%、ホテル宿泊客数は161.2%増の865.7万人、平均滞在時間は0.2日短い1.7日。

大規模統合型リゾート(IR)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の町並み(写真:MGTO)

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