マカオ政府、益隆爆竹工場跡周辺の整備計画など発表…IR運営事業者サンズチャイナが参画

 マカオ政府は9月29日、タイパ島の益隆爆竹工場跡周辺の整備計画及びマカオ半島永福圍・草堆街周辺の活性化計画を発表。両計画にマカオ政府とカジノ経営コンセッションを締結する6陣営の一角にあたるサンズチャイナ社が参画することも併せて明らかにされた。

 益隆爆竹工場は1925年に建てられたもので、マカオに残る貴重な比較的保存状態の良い爆竹工業遺産であり、20世紀の興隆した爆竹産業の歴史を今に伝える存在となっている。政府文化局(ICM)が再生プロジェクトを進め、同年末に第1フェーズとして全長約400メートルの遊歩道と修復を終えた一部の建物の一般公開がスタートした。

 ICMでは、同施設の歴史建築と生態景観を維持することを前提に再生プロジェクトに取り組み、サンズチャイナ社と共同でインタラクティブガイドなど多元的な観光体験を提供するほか、近隣の龍環葡韻エリアの野外エリアと連携した屋台、グルメ、手工芸、ショーなどの要素を盛り込み、周辺一帯と連動して再生効果を高めたい考え。

 永福圍・草堆街については、現存する比較的面積の大きい13の建物から構成される中国式の街区で、著名な世界遺産である聖ポール天主堂跡に近く、各エリアの結節点に位置する。今後、サンズチャイナが現代アーティストの創作と交流のプラットフォームとして活用し、アート要素による活性化を図るとした。

 先にマカオ政府はカジノ経営コンセッション6社それぞれと6つの歴史・文化エリア及び施設の活性化計画に取り組むことを明らかにしており、今回発表された計画のほか、ウィンマカオ社と福隆新街、MGMチャイナ社と媽閣エリア、メルコリゾーツ社と內港23号・25号埠頭及びモンテの砦、SJMリゾーツ社と新馬路・内港エリア、ギャラクシーエンターテインメントグループとコロアンビレッジ荔枝碗造船所跡一帯における活性化計画がそれぞれ発表済み。

マカオ政府とサンズチャイナ社による益隆爆竹工場跡周辺の整備計画などの発表会見の様子=2023年9月29日(写真:マカオ政府文化局)

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